研究課題/領域番号 |
06671718
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
耳鼻咽喉科学
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
田村 公一 徳島大学, 医学部, 助手 (00217192)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1994年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | 内喉頭筋 / 神経・筋接合部 / 神経軸索分岐点 / 運動終板径 / 筋線維型 / 筋萎縮性側索硬化症 / 喉頭癌 |
研究概要 |
声門の開閉運動を担うヒト内喉頭筋の病態に関して、これまでほとんど知られることのなかった神経・筋接合部における形態変化につき検討を行った。 喉頭病変ならびに神経・筋疾患を有しない7例、筋萎縮性側索硬化症3例の男性剖検体、および喉頭癌7例(うち放射線治療後4例)の喉頭より採取した内喉頭筋を材料に用いた。得られた内喉頭筋から、厚さ20μmの未固定新鮮凍結切片を作成した。神経軸索に対して鍍銀染色を、運動終板に対してインドキシール酢酸法を、II型筋線維に対してMY-32抗体を使用した免疫染色を組み合わせた三重染色を行った。筋線維の型別に、神経軸索の分岐点数・運動終板径を計測するとともに接合部の存在様式について類型化を行った。 神経軸索の分岐点数は、II型筋線維のものが、I型筋線維のものより少なかった。筋萎縮性側索硬化症は、他の症例に比べ、分岐点数が増加していた。運動終板径においても、II型筋線維のものは、I型のものより小さかった。各症例の間では、有意差は認められなかった。接合部の存在様式については、複数の運動終板が1つの接合部を形成する複合型のものが、両型筋線維とも筋萎縮性側索硬化症において、増加していた。放射線治療後喉頭癌においても増加傾向が認められた。 II型筋線維の神経・筋接合部はI型のものより、小型であることが明らかにされた。運動神経障害例として筋萎縮性側索硬化症を、筋線維障害例として放射線照射後喉頭癌症例を取り上げて検討したが、臨床的には障害の認められない状態であっても、接合部レベルにおいては既に形態変化が生じてきていることが、示唆された。
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