研究課題/領域番号 |
06671740
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
耳鼻咽喉科学
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研究機関 | 関西医科大学 |
研究代表者 |
久保 伸夫 関西医科大学, 医学部, 助教授 (70186435)
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研究分担者 |
中村 晶彦 関西医科大学, 医学部, 講師 (90180356)
北尻 雅則 関西医科大学, 医学部, 助教授 (60161478)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1995年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1994年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 血管内皮細胞 / 鼻粘膜 / ヒスタミン / NO / 細胞内カルシウム濃度 / ATP / アレルギー性鼻炎 / 鼻過敏症 / 鼻茸症 / 活性酸素 / 一酸化窒素 / 虚血-再環流障害 |
研究概要 |
鼻アレルギーや血管運動性鼻炎などの鼻過敏症の慢性化における鼻粘膜血管内皮細胞の一酸化窒素(NO)産生三虚血-再環流現象の関与を検討し、以下の成果を得た。まず手術時採取したヒト鼻粘膜血管内皮細胞の単離培養技術を確立し、確立した培養細胞系の細胞内Ca^<2+>濃度の測定をATP刺激により検討した。その結果、細胞内Ca^<2+>濃度は高濃度K^+では変化せず、電位依存性Ca^<2+>チャネルの存在は否定された。ATP刺激によってCa^<2+>濃度は、細胞外のCa^<2+>の存在の有無にかかわらず増加し、ATPは細胞内に貯蔵されたCa^<2+>を放出させると思われた。さらにアデノシン刺激はCa^<2+>濃度に変化を与えず、ヒト血管内皮細胞におけるP_2受容体の存在が示唆された。ついで、同様の実験系においてヒスタミン刺激におけるCa^<2+>濃度の変化を検討し、Ca^<2+>の細胞内動員とヒスタミンH_1受容体の存在とヒスタミンH_2受容体の欠如を証明した。以上は2編の論文として掲載された。引き続き、ロイコトルエンやブラディーキニン刺激も濃度依存的に細胞内Ca^<2+>濃度を増加させること。さらにヒスタミン刺激において血管内皮培養細胞環流液中のNOの産生も確認され、1-NMMA存在下では抑制された。SOD存在下でのNO産生の変化も検討したが、一定の傾向をえられなかった 以上の結果から、血管拡張と血管透過性亢進に作用する炎症性メディエータの多くは血管内皮細胞に作用点を有すること。細胞内Ca^<2+>濃度の増加に伴うNO産生の増加を伴うことが明らかにできた。このことは通年性鼻アレルギーにおいて最も難治的は症状である容積血管拡張や間質浮腫に伴う鼻閉における血管内皮細胞の一次的関与を示唆した。しかし、虚血再環流現象や好中球などの炎症細胞動員により産生される活性酸素によるNOの消去とその結果産生される活性酸素よりさらに細胞傷害性の高いONOO^-の存在、さらにそれに伴う血管内細胞自身の障害は今回の研究では証明できなかった。
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