研究課題/領域番号 |
06671761
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
眼科学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
不二門 尚 (不ニ門 尚) 大阪大学, 医学部, 助手 (50243233)
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研究分担者 |
大路 正人 大阪大学, 医学部, 助手 (90252650)
田野 保雄 大阪大学, 医学部, 教授 (80093433)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1995年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1994年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 近視化 / 網膜 / ERG / コントラスト感度 / グルタミン酸 / NO / 凹レンズ / ON反応 / OFF反応 |
研究概要 |
(1)ヒヨコの硝子体に、グルタミン酸類似物質で、AMPA/KA受容体に働くKainic acid(KA)を、注入して飼育すると眼軸長の延長と、近視化が見られ、代謝型受容体に働く2-amino-4-phosphonobutyrate(APB)を注入して飼育すると眼軸長の短縮と、遠視化が見られた。ERGでは、KA注入眼ではON反応およびOFF反応が同程度に減弱し、APB注入眼ではON反応が特異的に抑制されることが見いだされた。これらの事実から、ONおよびOFF反応に関係する網膜内情報伝達系が、近視化に関与していることが示唆された。 (2)パターンERG(PERG)はKA注入眼では中〜高空間周波数領域での振幅低下があり、APB注入眼では全空間周波数域での振幅低下が見られたことから、網膜像のボケに伴う中〜高空間周波数領域でのコントラスト感度の低下、あるいは網膜の情報処理系における中〜高空間周波数領域の応答の低下が近視化と関係することが示唆された。これに対して低空間周波域の応答の低下が存在する場合は近視化の機転が働かないことが予想された。 (4)凹レンズを負荷してヒヨコを飼育した場合、負荷量に応じて近視度が増し、眼軸長の延長が認められた。凹レンズ負荷眼の律動様小波の振幅は、近視度の増加と共に減少したが、振幅低下の程度は遮蔽による近視眼と比較して軽度であり、凹レンズを負荷による近視化と遮蔽による近視化では、網膜内の機作が違う可能性が示唆された。 (5)臨床例について、角膜白斑が20歳未満に発症した4例と20歳以降に発症した10例を比較すると、眼軸長は前者で有意に長く、従って臨床的にも成長期の網膜像のボケが近視化と関係する可能性が考えられた。
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