研究課題/領域番号 |
06671762
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
眼科学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
切通 彰 大阪大学, 医学部, 講師 (10225104)
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研究分担者 |
中村 敏一 大阪大学, 医学部, 教授 (00049397)
渡辺 仁 大阪大学, 医学部, 助手 (60252673)
下村 嘉一 大阪大学, 医学部, 講師 (20162737)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1995年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1994年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 肝細胞増殖因子 / 増殖因子 / 角膜上皮 / 創傷治癒 / 角膜実質細胞 |
研究概要 |
肝細胞増殖因子(以下HGF)は生体の様々な上皮系細胞に対して多彩な効果が報告されている。しかしながら眼科領域、特に角膜の各細胞に対する効果についての報告は少ない。今回、我々HGFの角膜上皮、実質、内皮の各細胞に対する増殖促進効果をEGF、KGFと比較した。また隣接する実質細胞においてHGFが産生されているかどうか検討した。次にin vitroの実験として角膜上皮欠損の創傷治癒過程で実質にHGFが産生されているかどうかを検討した。最後に上皮欠損修復モデルにてHGF点眼が修復に治療的効果が存在するか検討した。 方法としてはin vivoの実験では白色家兎の培養上皮、実質、内皮細胞を使用し、1,5,10ng/mlのHGF、KGF、EGFを添加し、その増殖促進効果を検討した。またヒト培養実質細胞を使用してHGFを産生するかどうかを抗HGF抗体を使用して測定した。次にラットに角膜上皮欠損を作成し、その創傷治癒過程で凍結切片を作成し、抗HGF抗体を使用した免疫組織化学的手法にて実質部のHGFの存在を検討した。最後に白色家兎に上皮欠損を作成し、5,20μg/mlの濃度のHGFを1日4回点眼し上皮修復促進効果を検討した。 HGFは培養家兎上皮細胞に対して増殖促進効果が認められ、その効果はEGFやKGFとほぼ同等であった。ヒト角膜実質細胞は培養下でHGFを再生していた。しかしながらin vivo実験である創傷治癒過程における実質部では今回の方法ではHGFの存在は認められなかった。また家兎の上皮欠損作成後の上皮修復速度をHGF点眼は促進しなかった。 以上の結果よりHGFは角膜の上皮や内皮細胞に対して増殖促進効果が認められ、このHGFは隣接する実質細胞により産生されていることが示唆された。しかしながら今回の染色方法ではin vivoにおいて実質部にHGFの存在は認められず、染色方法の再検討が必要と思われた。一方、HGF点眼が上皮欠損の修復に効果が認められなかったことより、外部からの投与による治療的効果は期待出来ないと考えられる。しかしながら、そのin vivoにおける役割や活性に関しては今後の検討が必要と考えられた。
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