研究課題/領域番号 |
06671825
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
形態系基礎歯科学
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研究機関 | 明海大学 |
研究代表者 |
羽毛田 慈之 明海大学, 歯学部, 助教授 (90164772)
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研究分担者 |
真野 博 明海大学, 歯学部, 助手 (20265359)
久米川 正好 明海大学, 歯学部, 教授 (40049367)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1995年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1994年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 破骨細胞形成 / 破骨細胞特異抗体 / 破骨細胞特異膜抗原 / 破骨細胞 / 5H抗原 / 5H抗体 / 小腸 / 酒石酸耐性酸ホスファターゼ |
研究概要 |
本研究は、今まで、研究の遅れていた破骨細胞の分化過程で発現される破骨細胞特有のタンパク質を解明することを目的として、我々が樹立した破骨細胞特異抗体(5H)の抗原を明らかにすることを試みた。破骨細胞の分化過程における5H抗原の発現について、ウサギ長管骨から調整した全骨細胞からの破骨細胞形成系を用いて検討した。その結果、5H抗原は酒石酸耐性酸ホスファターゼ陽性の破骨細胞様細胞の形成とパラレルに破骨細胞の前駆細胞に発現した。また、5H抗体の生物活性について、副甲状腺ホルモンによって誘導された破骨細胞の形成およびそれら細胞の骨吸収活性を5H抗体は濃度に依存して顕著に抑制した。これらのことは、5H抗原がは骨細胞の分化に直接与したタンパク質であることをより強く支持する。5H抗原を精製する目的で、破骨細胞程ではないが、5H抗原を多く発現している小腸を用いて調べた。5H抗原は膜結合型のものと細胞質中に存在するものの2つの型がある。膜結合型5H抗原は約64kDa、細胞質5H抗原はゲル濾過上で約600kDa、SDS-PAGE上で約65kDaの分子量を持つ。また、5H抗原は疎水性の高い糖タンパク質であることが明らかとなった。そこで、細胞膜結合型5H抗原が不安定であることから、比較的安定な細胞質5H抗原のアミノ酸配列の分析を行った。しかし、5H抗原はN末端が修飾されていたため、有意なアミノ酸配列情報は得られなかった。そこで、5H抗原を加水分解し、それぞれのフラグメントのアミノ酸配列を分析した。その結果、4つのフラグメントの部分配列が解読された。そこでその部分配列をもとに既知のタンパク質のアミノ酸配列との相同性を分析した結果、一致するタンパク質は見あたらなかった。しかし、現時点で5H抗原が、破骨細胞に特異的に発現される新規のタンパク質であると断定することは慎重を要する。
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