研究概要 |
P.gingivalisのリジン特異的プロテアーゼ(K-プロテアーゼ)を培養上清より分離精製した.分子量は48KDaで反応の至適pHは7.5であった.tos-GPK-pNA,VLK-pNAに対するKm値はそれぞれ0.25mM,0.33mMであった.活性は還元剤で上昇するのでチオール酵素であり,TLCKで完全に阻害され,金属キレーター(EDTA,EGTA)で活性化され,また血清アルブミン,IgA,IgGなどの蛋白質を加水分解する. 菌体より調製したエンベロープにはヘモグロビンとの結合能があり,1mgのエンベロープは最大58μgのヘモグロビンと結合し,その解離定数は0.17nMと低い,結合は酸性条件でよく起こり,アルカリ下では解離する.この特性を利用してエンベロープの可溶化画分から分子量19KDaのヘモグロビン結合蛋白(HbBP)を分離,精製した.HbBPはシデロフォアシステムを持たない本菌の鉄源の獲得において,重要な役割をしている可能性が考えられる.
|