研究課題/領域番号 |
06671844
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
機能系基礎歯科学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
吉村 啓一 北海道大学, 歯学部, 助教授 (30000938)
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研究分担者 |
平松 幸治 北海道大学, 歯学部, 助手 (90261312)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1995年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1994年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 耳下腺遊離細胞 / アミラーゼ分泌 / Isoproterenol / cyclic AMP / Carbachol / Substance P / カルシウム / 耳下腺アミラーゼ / イソプロテレノール / サブスタンスP / カルバコール / アゴニスト / 増強効果 |
研究概要 |
耳下腺遊離細胞をBio-Gel-P-2と混ぜ小さなカラムに詰め灌流下で種々のアゴニストによるアミラーゼ分泌パターンを解析する系を確立した。この系を用いアミラーゼ分泌を解析したとき、Isoproterenol (Isop)などcyclic AMP系を介するアゴニストとCarbachol (CCH), Substance p (Sub-P)などカルシウム(Ca^<2+>)系を介するアゴニストの間でアミラーゼ分泌パターンは異なっている。この性質を利用して両者の相乗効果のメカニズムを解析した。その結果、IsopとCCH又はSub-P両者の存在下でみられるアミラーゼ分泌は2相性(第一の鋭いピークとそれに続くプラトー)を示し、その分泌パターンは、CCHなど単独で得られるパターンと類似した。第一のピークは外液のカルシウムを除去してもほとんど変化しなかったが、プラトーは消失した。Isopの効果は、dibutyryl cyclic AMPやIBMXの利用でほぼ完全に置き換えることができた。細胞内遊離カルシウム([Ca^<2+>]_1)を増加するcalcium ionophore (A23187, ionomycin)やthapsigarginとIsopの間でもアミラーゼ分泌の相乗効果がみられた。Isopでの連続刺激時外液のCa^<2+>を増加した場合にも、著明なしかも一時的なアミラーゼ分泌のピークがみられた。この効果(Ca^<2+>効果と名付ける)の大きさは外液のCa^<2+>濃度は依存し、またionomycinで前処理し細胞膜のCa^<2+>の透過性を増加したときに増強した。このCa^<2+>効果の時間変化は、Sub-PやCCHの効果を類似していた。またCa^<2+>効果は、PDBu存在下で増大したがIsopとPDBuの間ではアミラーゼ分泌の相乗効果はみられなかった。なおIsopはFura IIを用いて測定したCCHやSub-Pによる[Ca^<2+>]_1増加作用には影響しなかった。 以上の結果はIsopとCa^<2+>系アゴニストの間でみられるアミラーゼ分泌の増強効果は細胞内第2伝達体(cyclic AMPとCa^<2+>)間の相互作用の結果発現していること、その効果は主にcyclic AMP系が細胞内におけるCa^<2+>の効果を修飾することによって生じている。なおCa^<2+>効果が一時的だったことはCa^<2+>によるアミラーゼ分泌作用に対する脱感作が生じていることを示唆する。従って、Sub-PやCCHによるアミラーゼ分泌が一時的なことのメカニズムの少なくとも一部にCa^<2+>効果に対する脱感作が関与しているかもしれない。
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