研究概要 |
白血球走化性因子であるInterleukin(IL)-8は,LPS等の炎症刺激によって誘導されるIL-1βおよびTNF-αによってさらに誘導されると考えられる。 本研究では,マウスの皮膚およびマウス真皮培養線維芽細胞におけるIL-8遺伝子の発現様態を調べた。その結果,培養線維芽細胞は,IL-1βやTNF-αの前処理の有無にかかわらず,IL-8遺伝子およびIL-1β遺伝子を発現していた。これらは,培養線維芽細胞の発現するIL-8遺伝子が自ら発現するIL-βのオートクライン機構によって誘導されている可能性がある。しかし,invivoのマウス皮膚真皮線維芽細胞は,外来性のIL-1βやTNF-αで刺激してもIL-8遺伝子を発現しなかった。皮膚でのIL-8遺伝子発現細胞は角化細胞と内皮細胞であった。真皮の線維芽細胞は炎症を伴わない組織内ではIL-1βやTNF-αに対し非感受性でありIL-8遺伝子を発現しないが,in vitroではIL-1βやTNF-αに感受性を示し,IL-8遺伝子を発現する。
|