研究課題/領域番号 |
06671996
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
外科系歯学
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
名倉 英明 東京医科歯科大学, 歯学部, 助教授 (80013960)
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研究分担者 |
立川 敬子 東京医科歯科大学, 歯学部, 助手 (70236537)
榎本 昭二 東京医科歯科大学, 歯学部, 教授 (40013940)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1995年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1994年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | チタン / 骨接合 / 骨芽細胞 / 破骨細胞 / プロスタグランジンE_2 / 細胞接着 / 細胞外マトリックス / 骨形成 / プロスタグランジン / 細胞融合 / マンノース / インテグリン / 接着分子 |
研究概要 |
チタンにおける骨接合機構の解明のため、培養細胞を用いてチタンと骨組織の相互作用について調べた。細胞としてはチタンを臨床的に適用する組織がおもに顎骨であることから従来用いられてきた頭蓋冠由来の骨芽細胞ではなく骨髄由来骨芽細胞を用いることにした。チタン上でこの骨芽細胞を培養したところ,初期接着やアルカリフォスファターゼ活性については変化が見られなかったが、細胞増殖および破骨細胞形成については抑制が見られた。このことよりチタンにおいては骨芽細胞の増殖に示される骨形成の抑制を破骨細胞形成に示される骨吸収の抑制で補うことが示唆された。またチタン箔上で骨芽細胞を培養した場合、著明なプロスタグランジンE_2(PGE_2)の産生が認められた。チタンと細胞との接着様式の相違がこのようなPGE_2産生の違いをもたらすことが推定されたため、接着とPGE_2の産生の関係について検討した。基質との接着に必要な細胞外マトリックスの合成が低い線維芽細胞ではガラス上で接着および増殖が着明に抑制されるのに比べ、チタン上では良好な接着と増殖が認められた。また骨芽細胞の接着試験ではチタン上でのみ優れた細胞接着が見られたた。さらにガラス上での骨芽細胞におけるPGE_2産生については抑制が認められた。他方、チタンと骨芽細胞の接着において基質と細胞の接着に必要とされるα_5β_1あるいはα_vβ_3などのインテグリンの発現に相違がないことより骨髄由来骨芽細胞はチタンと直接の接着を行うが、これはチタン上で特殊な接着蛋白が発現しているのではなく、チタンの表面特性によるものでこの接着により産生される内因性の因子がPGE_2と考えられる。PGE_2はin vivoにおいて骨形成に関与する因子として作用することが近年報告されており、この因子の役割を明らかにすることでチタンと細胞接着およびその後の骨形成促進に寄与するものと考えられる。
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