研究概要 |
顎関節病態の診断に,MRIが広く用いられているが,病態をより正確に把握するためには,顎関節を構成する骨および軟組織を立体的に観察する必要がある。われわれは,これまでサーフェスモデルを用いて,MRI矢状断連続層撮影像をもとにした3次元再構築像の作製を行なってきたが,このシステムは,唯一関節円板穿孔あるいは断裂傷例には対応できないため,全症例に対応するためにはボクセルモデルを用いた新システムの開発が必要でる。 3次元画像処理システムとしては,GESigna,1.5TeslaMRI撮像装置により得られた画像情報を光ディスクに保存し,OFFLINEにて画像読取システムに取り込み,デジタル情報をUniversal Gate Wayを通じてSilicon Graphics社製のgraphiccomputer,Indigoに送る。ここでファイル形式を変換してMacintosh社製personalcomputerに送り画像処理を施したのちIndigoにもどし,ボクセルモデルを用いて3次元再構築画像の作製を行なった。特に関節円板に関しては,現状ではMRI撮像装置の解像度に限界があり,graphic computer上で自動的にMRIの信号強度の僅かな差を識別するのが困難であるため,personal computer上でMRIデジタル画像に手作業でpathを形成し,側頭骨,関節円板,下顎頭,外耳道をgrayscaleの階調で分ける画像処理を行なった。 ボクセルモデルを用いたシステムでは,なめらかな3次元画像を得るためには,スライス幅を小さくして多くのMR画像が必要である.新たにMR撮像方法として3DFastGRASS法を用いることによりスライス幅0.4mmの60枚以上の連続MR画像が得られ,より精密な顎関節の3次元再構築が可能になった。
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