| 研究概要 |
(1)HIV感染症患者に認められる口腔毛状白板症と口腔カンジタ症の電子顕微鏡学的研究
生検組織の電子顕微鏡学的検索において口腔毛状白板症では,上皮細胞の核内に直径90〜110nmのEpstein-Barrウイルス(EBV)のヌクレオカプシドが多数認められ,細胞質内や細胞間障には直径110nm〜180nmのエンベロープを持ったEBV粒子が観察された。口腔カンジタ症では,上皮細胞質内にCandida albicansの菌糸が観察され,走査型電子顕微鏡による観察ではCandida albicansの菌糸が上皮細胞の表面に付着し上皮細胞内に貫入している所見が立体的に観察された。
(2)HIV感染症患者の難治性歯周疾患の電子顕微鏡学的研究
急性壊死性潰瘍性歯周炎の電子顕微鏡学的検索において上皮層表層に球菌,桿菌,スピロヘータなどの微生物が多数観察されリンパ球を中心とした炎症性細胞浸潤も著名であった。HIV歯周炎の電顕的観察では上皮細胞内にリンパ球を中心とした炎症性細胞浸潤が著明であり上皮下結合織の毛細血管の内皮細胞の細胞質内にはtubura-reticular structureが多数観察され,赤血球の血管外溢出も認められた。
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