研究課題/領域番号 |
06672010
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
外科系歯学
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
大村 進 横浜市立大学, 医学部, 講師 (50145687)
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研究分担者 |
水木 信之 横浜市立大学, 医学部, 助手 (00239229)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1994年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | アテロコラーゲン / コラーゲンスポンジ / 熱脱水架橋 / 抜歯窩 / 骨欠損 / 骨性治癒 / 家兎 / 大腿骨骨髄除去モデル |
研究概要 |
基本的検討 1)家兎下顎骨抜歯窩ならび骨欠損部における組織学的検討 方法:実験動物は家兎20匹を用い、左右で40検体を4群に分類し、全て下顎第二小臼歯を抜歯し、さらに左右下顎骨体部に径10mmの骨髄に達する骨欠損を形成する。、1群:アテロコラーゲンスポンジによる補填、2群:未処置コントロール、3群:スポンゼルによる補填、4群:天然非アテロコラーゲンによる補填群とし、術後3、7、14、21、35日に剖検、パラフィン切片を作製し種々の染色を施して組織学的に検討した。 結果と考察:抜歯窩にアテロコラーゲンスポンジを用いた場合、他の材料に比較して止血が良好で極めて有用と思われた。術後3日においても他の群に比較して肉芽の形成は良好で治癒経過はもっとも良好であると考えられた。しかし術後7日以降になると他群との差は明らかとは言えず、さらにその後の骨性の治癒に大きな変化は認めなかった。本実験結果から本材料は骨からの止血や初期の肉芽の形成には有用と考えられたが、骨の形成を積極的に促進する効果の有無は不明であった。これは家兎下顎骨は本来骨の形成能が極めて高いために、治癒過程において材料による違いを検索するのに適切でないことも原因に考えられた。そこで実験系に工夫しさらに検討することとした。 2)家兎大腿骨骨髄除去モデルによるアテロコラーゲンスポンジの骨形成能に関する組織学的検討 方法:家兎10匹、左右大腿骨を用いた。大腿骨の近位端と遠位端に小孔設け、同部より骨髄を除去し生じた骨腔内の右側にはコラーゲンスポンジを挿入し、反対側はコントロールとしてそのままとした。実験後2ケ月、4ケ月後に各5匹剖検しエック線学的、組織学的に検索した。 結果と考察:コラーゲンを挿入した骨髄腔内には、既に2ケ月後には感染した1例を除き移植したアテロクラ-ゲンを基質として骨が形成されていたのに対し、未処置群は4ケ月後においても脂肪髄が観察され、骨の形成は観察されなかった。本材料を術後の骨欠損に充填した場合、良好な骨性治癒が期待されると考えられた。 臨床的検討 方法:1)水平埋伏智教歯抜歯40症例に対しアテロコラーゲンスポンジ使用群と未使用群により肉眼所見、エックス線所見、患者のアンケート方式により臨床的有用性を検討した。 2)出血性素因を有する患者の抜歯、抜歯後口腔上顎洞瘻、ドライソッケット症例において本材の有用性を検討した。 結果:止血効果、肉芽の形成も良好で、抜歯後の口腔上顎洞瘻の閉鎖、ドライソケットの治療に簡便で有用な材料と考えられた。
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