研究課題/領域番号 |
06672035
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
外科系歯学
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研究機関 | 大阪歯科大学 |
研究代表者 |
村田 雄一 大阪歯科大学, 歯学部, 助手 (90067116)
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研究分担者 |
尾上 孝利 大阪歯科大学, 歯学部, 講師 (90098012)
松本 和浩 大阪歯科大学, 歯学部, 助手 (90239096)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1994年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 膿瘍 / β-ラクタム剤 / Fusobacterium / 薬剤耐性 / グラム陰性桿菌 / Prevotella intermedia |
研究概要 |
骨膜下膿瘍を有する患者3人(症例A、B、C)の内容液をCDC処方嫌気性菌用血液寒天培地(血液寒天培地)に塗抹後嫌気培養した。発育した集落をグラム染色するとともに、新鮮な血液寒天培地に再塗抹後好気培養した結果、症例A、B、Cから嫌気性グラム陰性桿菌をそれぞれ86、99、91株得た。ガスクロマトグラフィーにて、グルコースから酪酸を産生する菌株をFusobacterium属と同定した。症例A、B、CでそれぞれFusobacteriumが55、1、2株(分布割合64、1、2%)分離された。種の同定はFusobacterium属の各標準菌株との間でDNA相同性値をDNA-DNAハイブリダイゼーション法で求めたところ、供試全株がF.nucleatumであった。 最小発育阻止濃度(MIC)と最小殺菌濃度(MBC)は微量液体希釈法で求めた。症例A由来F.nucleatumに対する各供試薬剤のMIC_<90>は、セファクロル(CCL)で200μg/ml、エリスロマイシンで100μg/mlと大きかったが、アンピシリン(ABPC)とセファゾリンで0.78μg/ml、ミノサイクリンで0.2μg/ml、クリンダマイシンで0.1μg/mlと小さかった。症例BとCから分離したF.nucleatumに対するABPCとCCLのMICは≦0.39μg/mlであり、症例Aの値より小さかった。供試F.nucleatum全株のβ-lactamase活性をニトロセフィン法およびミクロヨード法にて調べたがともに活性は検出されなかった。 各症例から同時に分離されたF.nucleatumとPrevotella intermediaおよびPorphyromonas gingivalisのMICを比較すると、F.nucleatumが優位であった症例では、F.nucleatumのMICが他の2菌種よりも大きかった。この事実は、菌種間の耐性化傾向の違いによる菌交代症が歯性感染症の発症と進展に関与する一要素であることを示唆している。
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