研究課題/領域番号 |
06672045
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
矯正・小児・社会系歯学
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
河野 美砂子 新潟大学, 歯学部・附属病院, 助手 (60153491)
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研究分担者 |
朔 敬 新潟大学, 歯学部, 教授 (40145264)
野田 忠 新潟大学, 歯学部, 教授 (00013970)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1995年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1994年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 歯牙腫 / 細胞外基質 / 間質誘導 / 萌出遅延歯周囲組織 / Delayd tooth eruption / Gingive / Infancy / Hamartomatous lesions |
研究概要 |
われわれは本研究により、以下の結果を得た。 1)ヒト歯牙腫症例の病理組織学的、免疫組織化学的検索:過去16年間の歯牙腫症例を病理組織学的に発育状態にしたがって分類し、その中より約30例を抽出し、コラゲンをはじめとする各種細胞外基質がどのような局在を示すか、正常歯と対比して検討した。その結果、歯牙腫の各構成要素はそれぞれが対応する正常歯の構成要素と比較して、様々な発育分化の乱れがあることが確認された。 2)萌出遅延歯の歯冠周囲組織の病理組織学的検察:歯冠周囲歯肉組織60例のうち29例(48.4%)は粘液様線維性過形成(MH)を呈する特徴的な病変であった。MHの上方の歯肉組織には線維化がみられ、特定の細胞外基質分子が集積しており、下部のMHの増生により歯肉組織にも活発な改造現象がおきていることが示唆された。また、エナメル上皮線維腫様組織(AF)の塊状の増殖もみられたが、周囲の萎縮組織に移行して自然退縮しており、真の腫瘍ではなく小児の歯の萌出期に特有な病変と考えられた。これらMH、AFの存在自身、および介在が歯肉線維化を誘導して、下方歯の萌出遅延を招来していると考えられた。 3)大理石骨病マウス(op/op)の歯胚発育過程における細胞外基質の局在に関する免疫組織化学的研究:生後3日齢で切歯歯胚組織は周囲骨梁内に侵入するように成長し、骨梁で断裂された歯胚上皮塊は骨内でも新たに歯原性間葉を誘導していた。また、歯小嚢相当部の間葉組織は経時的に消失し、ついにセメント質が形成されず、歯乳頭も幼若なまま歯髄への分化がみられなかった。したがって、歯小嚢相当部空間の物理的容積とそこに存在する細胞外基質の適切な配置が歯胚の成長に重要な要因であることが示唆された。以上の結果より、歯胚の発育異常および歯の萌出障害に関わる要因が明らかになり、今後の小児歯科臨床の基礎的裏づけをなすための、重要な知見を得ることができた。
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