研究課題/領域番号 |
06672088
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
化学系薬学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
増野 匡彦 東京大学, 薬学部, 助手 (90165697)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1994年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | 芳香環水酸化 / 固定化酵素 / ホ-スラディシュペルオキシデ-ス / シトクロムP450 / 微水反応系 |
研究概要 |
無置換ベンゼンの一段階水酸化反応は、現代の有機化学においても最も困難な反応と言える。我々はすでにポリ-γ-メチルグルタメート(PMG)にシトクロムP450と同じヘム酵素であるシトクロムcを固定化し微水系(水と混合しない有機溶媒中に数%の水を混入し酵素反応を行う方法)で反応を行うと固定化シトクロムcがベンゼンを水酸化しフェノールを与えることを明らかにしていた。本研究課題では、シトクロムc以外のヘム酵素類(ミオグロビン、パーオキシデ-ス類さらにはシトクロムP450自身)も固定化し微水反応系にて芳香環水酸化反応および不斉酸化反応を検討し有機化学への応用を目指した固定化酵素の創製を目的とした。 市販のミオグロビン、ホ-スラディシュペルオキシデ-ス(HRP)、更にはラットより調製したシトクロムP450をPMGに固定化したところ、その固定化率はすべての酵素で50%弱であった。そられを用いてベンゼンの水酸化を微水反応系で行った。最も効率の高い反応系は固定化HRP/過酸系であり、触媒回転数は固定化シトクロムcの数倍に上昇した。また興味深いことにHRPでは固定化していない酵素でも過酸化水素を酸化剤として用いればフェノールの生成がみられた。また一般的に微水系で反応を行うときは添加する水の量が重要であり固定化シトクロムc、HRPでは0.5%で最大活性が得られた。しかしシトクロムP450では水を添加しなくても同等の結果が得られ、これは脂溶性酵素の特徴と考えられた。ナフタレンを基質としたところ水酸化活性は得られたがベンゼンの場合に比べ低く、本反応系は小分子の酸化に向いていることが判明した。またチオアニソール、ジフェニルメタノールを基質とした酸化反応も試みたが不斉は誘起されなかった。今後は不活性炭化水素類の不斉酸化を検討する。
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