研究概要 |
1.申請者が開発したプロトベルベリンからの生合成的変換によるベンゾフェナンスリジン合成法の反応条件を検討し、一般的合成条件を確立した。 2.各種のo‐スチリル安息香酸誘導体から、ベンゾキノン存在下5mol%のPdCl_2(CH_3CN)_2を用いる触媒的アシロキシパラデーション法を開発して、3‐アリールイソクマリンの一般合成法を開発した。 3.上記の反応を活用して、抗腫瘍性ベンゾフェナンスリジンアルカロイドnitidineのイソクマリン体を経由する新しい合成法を開拓した。 4.Meldrum酸を利用し、4‐arylquinolinequinoneを経由して、抗腫瘍性海洋産アルカロイドの基本骨格である4‐oxo‐4H‐pyrido[2,3,4‐kl]acridineの新規合成に成功した。 5.上記ルートに従って、4環性抗腫瘍性海洋産アルカロイドのcystodytin類の共通合成中間体である6‐(2‐aminoethyl)‐4‐oxo‐4H‐pyrido[2,3,4‐kl]acridine体の合成に成功した。今後、cystodytin類並びに関連海洋産アルカロイドの全合成を完成させる予定である。
|