研究課題/領域番号 |
06672104
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
化学系薬学
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研究機関 | 岐阜薬科大学 |
研究代表者 |
酒向 孫市 岐阜薬科大学, 薬学部, 講師 (10137060)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1995年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1994年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | 簡便合成法 / N_1-標識アデノシン類 / N^6-標識アデノシン類 / N_3-標識シチジン類 / N^4-標識シチジン類 / ヌクレオシド / 安定同位体標識 / N-標識シチジン / N-標識2′-デオキシシチジン / ヌクレオチド / N-標識アデノシン / N-標識2'-デオキシアデノシン |
研究概要 |
NMRスペクトル測定装置と測定技術の目覚ましい進歩によって、生体高分子の詳細な立体構造解析が可能になってきた。特に、^<15>N-NMRスペクトルの解析結果は、水素結合を介して高次構造を保持したり分子間相互作用している蛋白質や核酸の生体内での動的な構造変化や精密構造解析に関する重要な情報を提供する。しかし、^<15>Nの天然存在量は^1Hに比べて極端に少ない。それ故、上記研究目的のために、蛋白質や核酸の合成成分の^<15>N-標識化合物をそれぞれの分子の中へ位置選択的に組み込む手法が用いられている。その際、^<15>N-標識したアミノ酸やヌクレオシドが必要となるが、^<15>N-標識ヌクレオシドは^<15>N-標識アミノ酸に比べて合成法が十分に確立されていないため、その簡便合成法の開発が強く望まれている。 一方、本研究者は最近、^6N-メチルアデノシン誘導体を一電子酸化すると6位での脱メチル化が惹起されることを明らかにし、その応用として、^6N-ベンジルアデノシンを中間体とするイノシンからアデノシンへの簡便な変換法を開拓した。このような背景の下に、本研究では、上述した新規変換法を応用拡大して、イノシン類を原料とするアデノシン類の〔1-^<15>N〕-標識体と〔6-^<15>N〕-標識体合成法の確立と、ウリジン類を原料とするシチジン類の〔3-^<15>-N〕-標識体と〔4-^<15>-N〕-標識体合成法 の確立を企画し、当初の目的を達成することができた。 なお、本合成法は、糖部の保護を必要としないために、操作の簡便さや工程数、総収率の面で従来法に比べて極めて優れている。それ故、ここで得られた知見は核酸の高次構造解析において重要な情報を提供してくれるアデノシン類やシチジン類の^<15>N-標識体の容易なる入手への道を開くものであり、核酸化学や分子生物学の発展に貢献すること極めて大であると考える。
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