研究課題/領域番号 |
06672113
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
化学系薬学
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研究機関 | 東京薬科大学 |
研究代表者 |
田口 武夫 東京薬科大学, 薬学部, 教授 (00016180)
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研究分担者 |
北川 理 東京薬科大学, 薬学部, 講師 (30214787)
森川 勉 東京薬科大学, 薬学部, 講師 (40166393)
榛沢 雄二 東京薬科大学, 薬学部, 助教授 (10096688)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1995年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1994年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | シクロプロパン / ジフルオロシクロプロパン / グルタミン酸 / ジフルオロケトン / 不斉合成 / ジルコニウム錯体 / ディールス-アルダー反応 / ヨウ素 / メタノグルタミン酸 / ラジカル反応 |
研究概要 |
1.ジフルオロシクロプロパン誘導体の不斉合成法の開発とグルタミン酸の化学修飾への応用 シクロプロパン誘導体は高い反応性と構造的な平面性の特徴を有し、生理活性物質や機能材料分野での分子設計において重要な位置を占めている。我々は、このようなシクロプロパン環の特徴と有機フッ素化合物の特異性に基づき、新規な生理活性の発現などを指向した生体関連物質の化学修飾を検討してきた。先ず、合成化学的に未解決であった含フッ素シクロプロパン誘導体の不斉合成法の開発に取り組み、その結果、4-ブロモ-4、4-ジフルオロクロトン酸誘導体を用いるジフルオロシクロプロパン誘導体の不斉合成法の確立とジフルオロカルベン付加反応によるキラルな合成素子の開発に成功した。さらに、その応用として神経伝達物質として注目を集めているグルタミン酸のジフルオロシクロプロパンによる化学修飾および薬理評価を行ない、新規な代謝調節型グルタミン酸受容体アゴニストの発見に至った。 2.ジフルオロビニルエーテル誘導体を用いる反応開発 ジフルオロビニルエーテル誘導体は一般に安定で取り扱いが容易である。我々は、ケトンやイミン類の新規な活性化に基づくジフルオロビニルエーテル誘導体との効率的なアルドール型反応の開発に成功した。これらの反応は生理活性の面で興味がもたれる種々の加水分解酵素などの阻害剤の合成への応用が期待される。 3.ジルコノセン等価体を用いる合成反応の開発 ジルコノセン等価体を用いる合成反応の開発の一環として、ビニルシクロプロパン誘導体の環開裂反応を利用したステロイド側鎖の合成法の開発と、アルコキシメチルスチレン誘導体との特異な反応の発見とステロイド骨格の構築を指向した応用展開を行なった。 4.ヨウ素化を基盤とする合成反応の開発 ヨウ素による特異な活性化機構に基づく新規で有用な反応開発の一環として、N-アリルエナミド類の効率的なDiels-Alder反応の確立に成功した。さらに、最近我々が見いだしたヨードカルボ環化反応の不斉触媒化に成功し、本反応の有用性を高めることが出来た。 今後、ジルコノセン等価体を用いる合成反応やヨウ素化を基盤とする合成反応は、種々の有機フッ素化合物合成に応用が期待されるものである。
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