• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

ラジカル環化反応を用いるβ-ラクタムの合成

研究課題

研究課題/領域番号 06672124
研究種目

一般研究(C)

配分区分補助金
研究分野 化学系薬学
研究機関京都薬科大学

研究代表者

池田 正澄  京都薬科大学, 薬学部, 教授 (30028857)

研究分担者 石橋 弘行  京都薬科大学, 薬学部, 助教授 (70028869)
研究期間 (年度) 1994
研究課題ステータス 完了 (1994年度)
配分額 *注記
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1994年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
キーワードラジカル環化 / β-クラタム / チエナマイシン / PS-5 / 1,2-不斉誘起 / 1,3-不斉誘起 / 水素化トリブチルスズ / カルバモイルメチルラジカル
研究概要

1.ビニル基末端にフェニルチオ基を持つエナミドのラジカル環化反応:2-Bromo-N-[(4-methoxyphenyl)methyl]-N-[2,2-bis(phenylthio)ethenyl]butamide(1)を還流トルエン中azobis(isobutyronitrile)(AIBN)存在下Bu_3SnHで処理すると、(3R^*,4S^*)-3-ethyl-4-[bis(phenylthio)methyl]-1-[(4-methoxyphenyl)methyl]-2-azetid inone(2)が58%の収率で得られた。この反応の特徴は3,4-trans体が選択的に得られる点である。この化合物はさらに化学変換することによって(±)-PS-5の合成中間体に導き、形式合成を達成した。
2.1,2-不斉誘起反応:化合物(1)のエチル側鎖にキラル中心を導入し、その1,2-不斉誘起反応を検討した。即ち、(2S,3R)-2-acetoxy-2-bromo誘導体(3)をBu_3SnHで同様にで処理すると、(3S,4S)-と(3R,4R)-の立体配置をもつβ-ラクタムが全収率60%、約2:1の比で得られた。この主成績体の酸素官能基を反転後、化学変換によって(+)-thienamycinの重要合成中間体に導き、その形式合成を達成した。
3.1,3-不斉誘起反応:化合物(1)の窒素原子上にキラル補助基を導入し、その1,3-不斉誘起反応を検討した。即ち、1-[(S)-1-phenethyl]誘導体(4)を同様に処理すると、(4S)-と(4R)-の立体配置をもつβ-ラクタムが全収率70%、約3.4:1の比で得られた。この主成績体を化学変換することにより、(+)-PS-5の重要合成中間体へと導き、その形式合成を達成した。化合物(3)と(4)を組み合わせれば、さらに高い選択性で(4S)-2-アゼチジノンが得られるものと考えられる。実際、収率は29%に低下するものの7.5:1の比に向上した。
以上、従来ラジカル環化反応では困難とされていた、(1)4員環化合物の合成に成功し、(2)立体制御にもかなりの成果を得た。

報告書

(1件)
  • 1994 実績報告書
  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] 石橋弘行: "Synthesis of β-Lactams by Means of Sulfur-Controlled Regioselective Radical Cyclizations of N-Ethenyl-α-bromoalkanamides" Synlett. 649-650 (1993)

    • 関連する報告書
      1994 実績報告書
  • [文献書誌] 石橋弘行: "Asymmetric Induction in Radical Cyclization Leading to β-Lactams:Formal Synthesis of (+)-PS-5" Synlett. 445-446 (1994)

    • 関連する報告書
      1994 実績報告書
  • [文献書誌] 石橋弘行: "カルバモイルメチルラジカルの環化反応と天然物合成への応用" 有機合成化学協会誌. 53. 85-94 (1995)

    • 関連する報告書
      1994 実績報告書
  • [文献書誌] 石橋弘行: "Sulfur-Directed Regioselective Radical Cyclization Leading to β-Lactams:Formal Synthesis of (±)-PS-5 and (+)-Thienamycin" J.Org.Chem.60(印刷中). (1995)

    • 関連する報告書
      1994 実績報告書

URL: 

公開日: 1994-04-01   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi