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新規立体構造をもつリボヌクレアーゼT2ファミリーの塩基認識・反応機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 06672154
研究種目

一般研究(C)

配分区分補助金
研究分野 物理系薬学
研究機関昭和大学

研究代表者

中村 和郎  昭和大学, 薬学部, 教授 (00012675)

研究期間 (年度) 1994 – 1995
研究課題ステータス 完了 (1995年度)
配分額 *注記
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1995年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1994年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
キーワードリボ核酸分解酵素 / X線構造解析 / 基質複合体
研究概要

本研究期間中、リボヌクレアーゼT2ファミリーに含まれるRNase Rhの遺伝子組換え体(RNase RNAP-Rhと省略)及びその部位特異的改変体Y57Wについて7種類(RNAP-Rh,RNAP-Rh+2′-AMP,RNAP-Rh+2′-GMP,Y57W,Y57W+2′-AMP,Y57W+3′-AMP,Y57W+2′-GMP)の結晶構造を行った。振動カメラR-AXISIIcあるいはワイセンベルグカメラを用いて収集した回折データを用いて、構造を決定、引き続いて結合距離・結合角等に束縛をかけた最小2乗法による精密化を行い、全ての解析において、信頼度因子Rは良好な値を与えた。まず初年度で、天然型のRNase RhとRNAP-Rhの立体構造には、大きな違いがないことを確認した。次に後者に阻害剤2′-AMPを導入して、基質の塩基がどのように認識されるかを探索した。その結果、Trp49が底側、Tyr57が蓋側となって塩基をサンドイッチし、Asp51が塩基と水素結合をして、基質を認識していることが、初めて明らかにされた。2年目に入って、RNAP-Rh+2′-AMPおよびY57W+2′-AMPの構造を比較するために、活性部位付近の残基で重合せをした所、2つの複合体の間でかなり良い一致を得た。Y57WのAやGに対する活性の向上は、基質の塩基の認識部位の蓋の役目をしているTyr57がTrpに置き換わったことによるスタッキング能の向上に基づくものであると結論づけることができる。Y57Wは2′-AMPが存在しない状態では不安定であることも分かった。基質特異性が非特異的であるのが本酵素の特徴であるので、A以外の塩基(G)をもつ阻害剤を入れた複合体の構造解析も行った。解析の結果は、Aの場合と良く似た様式でグアニン塩基は酵素に結合していることが分かった。酵素-G間の水素結合はAの場合の2本から1本に減り、酵素ーリン酸基間の水素結合は4本形成されていた。この水素結合は全て側鎖とのものであった。Y57W+2′-GMP複合体においては水素結合に関しては若干異なり、グアニン塩基とは2本、リン酸基とは5本の水素結合が形成されている。

報告書

(3件)
  • 1995 実績報告書   研究成果報告書概要
  • 1994 実績報告書
  • 研究成果

    (9件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (9件)

  • [文献書誌] M.Irie,et al.: "pH Profile of Kinetics of RNase Rh from Rhizopus" J.Biochem.115. 1083-1087 (1994)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1995 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] H.Kurihara,et al.: "The Crystal Structure of Ribonuclease Rh" J.Mol.Biol.255. 310-320 (1996)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1995 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 中村和郎: "X線結晶構造解析入門" 化学と薬学の教室. 119. 15-20 (1995)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1995 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] M.Irie et al.: "pH Profile of Kinetics of RNase Rh from Rhizopus niveus and Its Mutant Enzymes towards Upv, and Possible Mechanism of RNase Rh" J.Biochem.Vol.115. 1083-1087 (1994)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1995 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] H.Kurihara et al.: "The Crystal Structure of Ribonuclease Rh from Rhizopus niveus at 2.0 A resolution" J.Mol.Biol.Vol.255. 310-320 (1996)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1995 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] K.Nakamura: "The introduction to X-ray structure analysis" Kagakutoyakugakuno-kyousitsu. Vol.119. 15-20 (1995)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1995 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] H. kurihara et al.: "The Crystal Structure of Ribonuclease Rh from Rhizopus niveus" J. Mol. Biol.255. 310-320 (1996)

    • 関連する報告書
      1995 実績報告書
  • [文献書誌] 中村和郎: "X線結晶構造解析入門" 化学と薬学の教室. 119. 15-20 (1995)

    • 関連する報告書
      1995 実績報告書
  • [文献書誌] H.Kurihara: "The three dimensional structure of Ribonuclease Rh" J.Mol.Biol.(発表予定).

    • 関連する報告書
      1994 実績報告書

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公開日: 1994-04-01   更新日: 2016-04-21  

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