研究課題/領域番号 |
06672192
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生物系薬学
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研究機関 | 静岡県立大学 |
研究代表者 |
中山 貢一 静岡県立大学, 薬学部・薬理学教室, 教授 (50112769)
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研究分担者 |
田中 芳夫 静岡県立大学, 薬学部, 助手 (60188349)
石井 邦雄 静岡県立大学, 薬学部, 助教授 (90137993)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1994年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | バイオメカニクス / 物理受容 / 血管 / ストレッチ反応 / 筋原性収縮 / カルシウムイオン / イノシトール3リン酸 / ホスホリパーゼC |
研究概要 |
心臓・血管系は血圧、血流などの血行力学的刺激による生物力学的物理量(バイオメカニクス)の発生とその受容・応答の場でもある。著者は"循環系におけるバイオメカニクスと薬物による制御"(日薬理誌102,201-214,1993)という題目で第66回日本薬理学会総会シンポジウム(1993年4月、横浜)を組織し、その発表成果を踏まえて本研究を推進した。得られた研究成果は以下に要約できる。 1)血管系におけるメカノセンサー機構:ラット脳微小血管の内腔圧上昇誘発収縮はアミロリド感受性であり、アミロリド誘導体でNa^+/H^+交換機構阻害作用が協力なHMAでは抑制されない。さらに非選択的カチオンチヤネル阻害薬メフェナム酸で抑制される。したがって、非選択的カチオンチャネルに属するストレッチチャネルがメカノセンサー機構として想定された。 2)ストレッチ誘発収縮反応の生物工学的研究:イヌ脳血管の伸展刺激(ストレッチ)による筋原性収縮のクロスブリッジ回転数と結合数を調べると、筋原性収縮はトロンボキサンA_2誘導体U46619などの薬物受容体を介する収縮と高カリウムによる脱分極性収縮の中間的な収縮特性を有することを明らかにした。 3)チロシンキナーゼ活性化と筋原性収縮反応の修飾:ラット脳微小血管において、内腔圧上昇による収縮反応を、チロシンキナーゼ阻害薬であるゲニステインが特異的に抑制した。血管系におけるメカノセンサー機構がチロシンキナーゼ受容体とも深くかかわる可能性を示唆し、血管の再構築や病態的な増殖、肥厚とバイオメカニカル刺激の研究に新たな視点を与えた。さらに、今後さらに本研究を進めるとともに、得られた成果を英語論文として発表した。
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