研究課題/領域番号 |
06672221
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生物系薬学
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研究機関 | 理化学研究所 |
研究代表者 |
櫨木 薫 理化学研究所, 宇井特別研究室, 研究員 (50146007)
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研究分担者 |
瀬谷 司 大阪府立成人病センター, 研究所6部, 室長
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1994年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | PI-3-キナーゼ / Fcγレセプター / GTP結合蛋白質 / チロシンキナーゼ / ワ-トマニン / 補体レセプター / 食細胞 / O_2-産生 |
研究概要 |
申請者は食細胞の情報伝達系においてホスファチジルイノシトール(PI)3キナーゼがどこに位置づけられ、どのような反応に寄与しているかを検討し、以下の知見を得た。1.食細胞の抗体レセプター(FcγR)を刺激すると蛋白質チロシンリン酸化の亢進が認められ、同時に抗ホスホチロシン抗体免疫沈降画分のPI3キナーゼ活性の増大が観察された。またFcγRの刺激は無傷細胞においてPI3キナーゼの反応生成物であるPI-3,4,5-P_3(PIP_3)を増加された。PI3キナーゼの阻害薬であるワ-トマンニンは抗ホスホチロシン抗体免疫沈降画分のPI3キナーゼ活性、PIP_3産生をいずれも完全に抑制した。抗体依存性の貧食作用はワ-トマンニンによって完全に抑制され、この反応がPI3ナーゼを介して進行していることが証明された。2.FcγR刺激時にチロシンリン酸化されるsrcファミリーの分子としてLyn、Fyn、lck、fgr、pp60^<c-src>認めている。これらの分子はいずれもp85抗体免疫沈降画分に共沈してくるがその量は刺激の有無に依存しなかった。従ってsrcファミリーはいずれも常にPI3キナーゼと会合していてそのままの形で活性化時にのみ自己リン酸化されると結論された。これらのsrcファミリー免疫沈降物におけるPI3キナーゼ活性を測定したところLyn、Fynと会合しているPI3キナーゼがFcγR刺激によって活性化されている可能性が示唆された。3.FcγR架橋刺激は低分子量GTP結合蛋白質の調節因子であるGAP、VAV、Grb2のチロシンリン酸化を引き起こした。またこの時、これらの抗体を用いた免疫沈降物中のPI3キナーゼ活性が増加した。従って、食細胞による抗体依存性の生体防御反応はチロシンキナーゼ、PI3キナーゼ、低分子量GTP結合蛋白質を介して進行している可能性がある。
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