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麝香水抽出画分の抗-HIV作用の解析

研究課題

研究課題/領域番号 06672224
研究種目

一般研究(C)

配分区分補助金
研究分野 生物系薬学
研究機関国立予防衛生研究所

研究代表者

小島 朝人  国立予防衛生研究所, 感染病理部, 室長 (30100077)

研究分担者 高橋 秀宗  国立予防衛生研究所, 感染病理部, 研究員 (70260271)
研究期間 (年度) 1994
研究課題ステータス 完了 (1994年度)
配分額 *注記
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1994年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
キーワード麝香水抽出画分 / 抗-HIV作用 / 感染細胞死滅阻止
研究概要

HIVがAIDSの原因ウイルスとして発見されて以来、AIDSワクチン開発・抗-HIV薬開発に莫大な努力が注ぎ込まれてきた。しかし、AIDSワクチンは現在のところ全く目処が立たず、抗-HIV薬として使用されてきたAZT等RT阻害剤にも、臨床効果・延命効果に限界が指摘されている。従って、新しい抗-HIV物質の探索は急務の課題となっている。本研究では、検索の網から漏れている動物由来漢方薬に着目して抗-HIV活性を調査した結果、麝香水抽出画分に強い抗-HIV作用を見出した。即ち、麝香をH_2Oに懸濁して4℃、24時間抽出した水溶性画分(MWE;musk water extract)を乾燥重量にして200μg/mlの細胞毒性を示さない濃度で添加すると、HIV-1高感受性MT-4感染細胞のHIV-1抗原発現、巨細胞形成、感染による細胞死がほぼ完全に抑制された。このようなMWEの抗-HIV効果は、細胞を前以てMWEで処理しても認められず、感染前のHIV-1をMWEで処理した場合に認められたことから、HIV-1に対するMWEの直接阻害作用が示唆された。
一方、MT-4細胞が感染後48時間以内に100%HIV-1抗原陽性になり、5〜6日後には細胞が死滅してしまう感染価(moi=0.0001)でHIV-1を感染させ、60時間目にMWEを添加したところ、細胞死の進行が停止したのみならず、速やかに細胞は増殖を再開した。生存細胞がほとんど見出されない状態で添加した場合にも、ここから細胞は速やかに増殖してきた。復活してきたMT-4細胞を蛍光抗体法、ウエスタンブロット法で解析した結果、100%HIV-1抗原陽性であった。しかし、Env及びGag蛋白の発現には異常が生じていた。なお、AZTにはこのような効果は全く認められなかった。
以上の結果は、MWEがHIVに感染してしまったCD4Tリンパ球の死滅・減少を阻止することのできる全く新しい抗-HIV作用を持つことを示している。しかし、麝香を分泌する麝香ジカは国際保護条令対象動物であり、研究の進展のためには原料の入手という大きな難問を解決しなければならない。

報告書

(1件)
  • 1994 実績報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Tachibana,Y-I.: "A major antigenic region on the integrase(IN) of human immunodeficiency virus type 1 as determined by reactivity of human sera and a monoclonal antibody to IN." Clin.Diag.Lab.Immunol.1. 678-683 (1994)

    • 関連する報告書
      1994 実績報告書
  • [文献書誌] Takahashi,H.: "HIV-1 reverse transcriptase:Enhancement of activity by interactions with the nucleocapsid p15 protein and cellular topoisomerase l." Proc.Natl.Acad.Sci.USA.(in press).

    • 関連する報告書
      1994 実績報告書

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公開日: 1994-04-01   更新日: 2016-04-21  

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