研究概要 |
病院機能類型は,開設主体,病床規模や平均在院日数,職員数,病院の機能,看護形態など,いくつかの組み合わせで求めることができるが,これら変量は相関があるので,少数の変量の組み合わせで類型を形成できる。たとえば,公私の開設主体と病床数(もしくは平均在院日数)による類型化は,他の変量の追加による分布関数シフトにあまり影響しなかった。 類型別分布関数は病院全体の分布関数に比較して四分偏差が小さくなることが想定されるが,実態調査データを用いて分布関数を構成し,ある程度確認できた。このことは,病院類型化に対応した診療報酬体系により,病院間の財源分配が平等性をもっておこなわれうることを示している。 赤字病院割合を減少するに必要な財源を,分布関数を用いて推定でき,病院類型別の比較ができた。この比較により,赤字病院減少に対する効果的な資源の投入が可能となる。また四分偏差を縮小する診療報酬体系化をおこない,同一規模財源で赤字病院割合を減少することも可能となる。診療報酬体系のコントロールは,病院類型別の診療行為別点数割合などを変化させておこなう。 病院類型化による財源の効率的配分効果を測定する指標を分布関数を用いて定義し,測定方法を明らかにした。 診療報酬体系を病院機能類型別に構築することにより,財源の配分がより平等になり,赤字病院を減少させる際の対応を明確にすることができた。
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