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薬毒物の血中から消化管粘膜を介した移行性に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 06672271
研究種目

一般研究(C)

配分区分補助金
研究分野 応用薬理学・医療系薬学
研究機関熊本大学

研究代表者

有森 和彦  熊本大学, 医学部・附属病院, 助教授 (70253739)

研究分担者 中野 眞汎  熊本大学, 医学部・附属病院, 教授 (40002125)
研究期間 (年度) 1994
研究課題ステータス 完了 (1994年度)
配分額 *注記
1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1994年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
キーワード中毒 / 薬毒物 / 有機リン / 腸管洗浄 / 活性炭 / 消化管移行 / 消化管透析 / フェニトロチオン
研究概要

本研究は中毒薬毒物測定依頼頻度の高い有機リン系農薬について消化管を介した移行性を薬動力学的に解析するとともに、中毒時における活性炭経口投与あるいはマクロゴール(ポリエチレングリコール)電解質液(PEG-ELS)を用いた腸管洗浄による腸管透析の有用性を評価することにある。
以下に研究成果の概要を報告する。
1.ラットを用いたin situ腸管還流実験によりフェニトロチオン(FNT)、トルクロホスメチル(TOL)およびサリチオン(SAL)を静脈内投与後の消化管移行性をGC-MSを用いて検討した。その結果、腸管粘膜を介した移行量は今まで検討した薬毒物に比べ極めて少ない量であった。3種の有機リンの中ではFNTが移行量は最も多かった。硫酸アトロピンの投与はFNTの移行性に影響を及ぼさなかった。これらの結果から、有機リン系農薬中毒時においては、既に吸収されてしまった後では、消化管透析による除去効果は期待できないことが示唆された。
2.消化管に残存している有機リン系農薬の吸収の阻止を目的として、ラットにFNT経口投与後の吸収に及ぼすPEG-ELS、硫酸アトロピンおよび活性炭投与の影響を検討した。その結果、PEG-ELSのみによる腸管洗浄ではFNTの吸収阻止効果はほとんど観察されなかった。硫酸アトロピンの早期投与はFNTの吸収を遅延した。しかし、時間の経過につれFNTの吸収が起こり血中濃度が上昇するのが観察された。
以上の結果から、有機リン系農薬中毒時には、早期に硫酸アトロピンの投与を行い、その後、活性炭投与およびPEG-ELSによる腸管洗浄が効果的であると考えられる。なお、この研究成果は平成6年7月に広島で開催された日米生物薬剤学シンポジウムで発表し、現在投稿の準備を進めているところである。

報告書

(1件)
  • 1994 実績報告書

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公開日: 1994-04-01   更新日: 2016-04-21  

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