研究課題/領域番号 |
06672276
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
応用薬理学・医療系薬学
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
原田 芳照 北里大学, 医学部, 教授 (20050677)
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研究分担者 |
畑中 公 北里大学, 医学部, 助手 (00228470)
川村 道子 北里大学, 医学部, 助手 (00154104)
馬嶋 正隆 北里大学, 医学部, 教授 (70181641)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1996年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1995年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1994年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | カラゲニン胸膜炎 / プロスタグランジン / シクロオキシゲナーゼ-2 / アスピリン / NS-398 / 二メスリド / デキサメタゾン / 抗炎症薬 / ニメスリド / カラグニン胸膜炎 / SC-58125 / 非ステロイド性抗炎症薬 |
研究概要 |
平成6〜8年度に概略以下のような知見が得られた。1)滲出液中の細胞からCOX-2の蛋白及びmRNAを検出した。COX-2蛋白の発現レベルの時間経過は血漿滲出速度および滲出液中のPGレベルの時間経過とほぼ平行であった。一方、COX-1は炎症の経過を通じてほぼ一定であった。2)NS-398、二メスリド、SC-58125などの特異的COX-2阻害薬は抗炎症作用を示すと共に、滲出液中のPGの中ではPGE2レベルだけを低下させ、TXB2と6-keto-PGF1αを変化させなかった。アスピリンは全てのPGを低下させた。以上の結果はCOX-2が炎症巣におけるPG、特に血漿滲出に係わるPGE2の生成に関与することを示唆する。3)デキサメタゾン(0.3-30mg/kg,i.p.)は細胞湿潤および血漿滲出を抑制すると共に、滲出液中のPGを著明に低下させた。しかしCOX-2発現に対しては3mg/kg以上で検出限界に低下させたが、0.3mg/kgでは発現レベルの明らかな低下は見られなかった。即ち、デキサメタゾンの抗炎症作用にはCOX-2発現抑制以外の機序も関与することが示唆された。4)滲出液では好中球が単核球より多数を占めていた。一方、蛋白当たりのCOX-2発現レベルを比較すると、単核球の方が好中球より約10倍強く発現していた。免疫蛍光染色法で個々の細胞について調べると、単核球ではほぼ全て、好中球では一部にCOX-2発現が認められた。また極く少数存在する肥満細胞にもCOX-2発現が認められた。従って、滲出液中の全COX-2量に対する単核球と好中球の寄与の程度はほぼ同等と考えられた。5)TNFαを胸腔内に注射し、COX-2誘導活性を調べると、10pmoleで強い誘導活性を示した。細胞種毎のCOX-2発現の強さおよび頻度はカラゲニン注射後とほぼ同じパターンであった。他方、他のメディエーターは用いた用量範囲では強い誘導活性を示さなかった。従って、TNFαはCOX-2を誘導するメディエーターの有力候補と考えられた。6)胸膜を擦りとって集めた細胞をWestern blotすると、滲出液中の細胞に高レベルでCOX-2発現が認められる3-7時間では胸膜にはCOX-2は検出されなかった。しかし滲出液中の細胞のCOX-2レベルが低下する12時間後では胸膜にCOX-2が検出された。この時に産生されるPGの役割は炎症初期のそれとは異なるものと推定された。
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