研究概要 |
1.春期と夏期の空中浮遊酵母で優勢なものはCryptococcus属、Rhodotorula属であること、カンジダアルビカンスは空中に浮遊していないことを見出した。(小児看護研究学会誌第3巻,1995) 2.C.albicans細胞壁マンナンは血清中のIgE抗体と強く反応し、これに関係する部分はC.albicans以外の酵母(R.rubra,C.guilliermondii,C.tropicalis,C.parapsilosis)由来のマンナンに共通して存在することが明らかになった。 3.冬期の空中浮遊酵母で優勢なものはCandida albicansを除くCandida属、Crytococcus属、Rhodotorula属であることが分かった。 4.カビの胞子そのもの、あるいはカビが付着していると思われる微粒子は室内では室外の10倍であることが見出された。 5.室内塵からはダニだけでなく、カビを食するチャタテムシが日常的に存在することが分かった。 6.家庭訪問による調査はカビだけでなく、ダニや浮遊粒子数の調査を合せて行う事が患者指導に有用である事が分かった。 行った指導内容は室内の除湿、エアコンを含めた掃除の仕方、フトンの取り扱い、ダニの駆除、食品等の保存法、水分を発生するヒーター使用時の注意点、戸外の落葉の除去法等である。訪問時に家族の訴えを傾聴すること、環境改善に努力していることを認めつつ、家庭にあった方法を指導する事が肝要である。
|