研究課題/領域番号 |
06680015
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
家政学
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研究機関 | 奈良教育大学 |
研究代表者 |
米山 京子 奈良教育大学, 教育学部, 教授 (30079743)
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研究分担者 |
池田 順子 京都文教短期大学, 家政学科, 教授 (30076880)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1994年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 母乳 / カルシウム / 小児栄養 / 牛乳 / 食生活 / 骨代謝 / ハイドロキシプロリン / 骨密度 |
研究概要 |
本研究では、(1)母乳中Ca濃度と関連のみられる要因を明らかにし、(2)それらの要因を考慮に入れて、骨の脱灰現象を示す代謝指標である尿中Hydroxypoline(以後H.P)および踵骨の骨密度と母乳中Ca濃度との関連性を分析し、母乳中Ca濃度の補償機構について検討した。平成6年7月及び10月に、出産後6日から1年8カ月を経過した健康な授乳婦128名を対象とした。 (1)母乳中Ca濃度と授乳期間にはかなり高い負の相関(P<0.01)が認められ、Ca濃度は出産後1カ月まで最も高く、その後6カ月まで減少傾向を示し以後ほぼ一定であった。 (2)骨密度およびH.Pは、いずれも授乳期間と負の有意相関が認められた。 (3)Ca濃度と骨密度およびH.Pとの間には、直接の関連性は認められなかった。1日牛乳摂取量とH・Pとの間には負の有意相関(P<0.02)が認められ、牛乳摂取量が低い場合にH・Pが高いことが示された。また、授乳期を考慮してCa濃度と牛乳摂取量との関連を検討したところ、授乳1年以後では牛乳摂取量が400ml以上の場合に400ml未満に比べCa濃度が明らかに高くなったが、それ以前の時期では明確な関連性は認められなかった。 以上の結果により、 1.授乳初期では牛乳摂取量はCa濃度との関連が認められず、H・Pが全般的に高いことから、骨吸収が亢進しており、高い補償機構が働いていると考えられる。 2.授乳中期以降、母体の牛乳摂取量が少ない場合にH・Pが高い傾向が見られたことから、補償機構は母体のCa摂取条件に依存すると考えられる。 3.授乳期間が1年を過ぎるとH・Pはかなり低くなり、牛乳摂取の影響がCa濃度に強く現れ、補償機構は低下すると考えられる。
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