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含フッ素シランカップリング剤による繊維の表面フルオロアルキル化

研究課題

研究課題/領域番号 06680036
研究種目

一般研究(C)

配分区分補助金
研究分野 家政学
研究機関大阪市立大学

研究代表者

川瀬 徳三  大阪市立大学, 生活化学部, 講師 (60152956)

研究期間 (年度) 1994 – 1995
研究課題ステータス 完了 (1995年度)
配分額 *注記
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1995年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1994年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
キーワードシランカップリング剤 / ESCA分析 / 耐溶剤性 / 表面改質 / 表面自由エネルギー / 撥水・撥油性 / シロキサンネットワーク / フルオロアルキル化
研究概要

一鎖型および二鎖型シランカップリング剤を使用して,各種温度および処理時間の熱処理によるPETフィルムを改質した結果、PETのTg点である80℃以上であれば表面自由エネルギーはγ_s^d=9〜12mN/m,γ_s^p=3〜8mN/mにまで大きく低下し改質効果は殆ど一定となり,時間も5分で十分であった.
表面のESCA分析で,C_<15>スペクトルにおいて基質PETに由来するC=0に帰属される289eVのピークが明確に認められた.この事は,シラン層の厚みはESCAの深さ情報の極限である50Åよりも浅いことを示しており,数分子層のシロキサンネットワークと考えられる.
本改質は耐薬品性に非常に優れ,ドデカン,キシレン,酢酸エチル,テトラクロルエチレンなどの有機溶剤および酸に浸漬放置をしても表面自由エネルギーおよびESCAスペクトルには変化が認められない.フロン系溶剤に長時間浸漬すると撥水性には殆ど変化の無いものの撥油性の明らかな低下が認められた.ESCAより,クラスター度の低いシラン成分の溶解除去に伴う表面フッ素量の低下が原因と考えられる.しかし,シロキサン結合はアルカリに弱く,短時間の浸漬でもシラン層のSi-0-Siネットワークが加水分解により破壊され,ESCAより表面フッ素量の低下は著しく,表面は大きく極性化(γSpの増大)され撥水性は低下したが,撥油性の低下は殆どなかった.
これらの事から,シランカップリング剤の表面吸着や表面での強固なシロキサンネットワーク被膜形成あるいは表面に僅か存在する水酸基などの極性基との化学結合によるのではなく,熱処理によりシラン剤の-CH2CH2-部分がPETにアンカリング固着するのが改質機構であることが分かった.
さらに、フルオロアルキル基のみならず親水基も有したシランカップリング剤の合成にも成功したので、今後これらを用いた繊維のFLIP-FLOP型表面改質についても検討したい。

報告書

(3件)
  • 1995 実績報告書   研究成果報告書概要
  • 1994 実績報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Tokuzo Kawase: "Novel Fluoroalkylatin of Polyester Surtaces:Grafting with Perfluoroalkanoyl Peroxides" Textile Research Journal. 64. 375-380 (1994)

    • 関連する報告書
      1994 実績報告書
  • [文献書誌] 川瀬徳三: "パ-フルオロアルカノイルパーオキサイドによる絹の表面改質" 繊維学会誌. 51. 85-94 (1995)

    • 関連する報告書
      1994 実績報告書

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公開日: 1994-04-01   更新日: 2016-04-21  

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