研究課題/領域番号 |
06680045
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
家政学
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研究機関 | 日本女子大学 |
研究代表者 |
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1994年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 豆類 / 抗変異原性 / 変異原性抑制作用 / 大豆 / 加熱した豆類 |
研究概要 |
発がん物質の多くは突然変異物質(変異原性物質)であり、変異原性物質と発がんとは密接な関連性があることは知られている。従って、食品中の変異原物質の変異原性を抑制することによりがんの予防につながると考えられる。本研究は加熱した豆類の変異原性抑制作用について検討したことで次の結果が得られた。 1)がん原性Trp-p-1に対する加熱大豆の変異原性抑制作用 乾燥大豆をきな粉製造条件下で約200℃加熱した後、水、メタノールなどで抽出し、Ames'testによりがん原性Trp-p-1に対して変異原性抑制作用を検討した結果、どの抽出物も強い変異原性抑制率を示した。さらに、加熱大豆の低分子画分をsephadexゲルろ過クロマトグラフィーにより分画し、強い変異原性抑制作用を示す画分について検討した。その結果、加熱大豆抽出物の低分子分の中でも分子量の小さいものほど強い変異原性抑制率を示した。そこで、これらの成分をGCおよびMSで分離、同定した結果、フラン類、フェノール類、ピラジン類およびピロール類などの化合物が同定できた。これらの化合物は変異原性をほとんど示さなかったが、変異原性抑制作用が見られ、特にピロール類、ピラジン類が強い変異原性抑制率を示した。 2)加熱豆類抽出物の変異原性抑制効果 あずき、いんげん豆、えんどう、そら豆、黒豆、枝豆などを日常調理条件で加熱して、水、メタノールあるいはヘキサンで抽出してがん原性Trp-P-1に対して変異原性抑制作用を検討した。その結果、色を呈するあずき、黒豆、枝豆の抽出物には変異原性抑制作用が見られた。あずきおよび黒豆のアントシアニン、枝豆のクロロフィルがそれぞれ変異原性抑制作用を示したと推定された。 以上の研究結果により、食生活とがん予防の観点から豆類はかなり有望と考えられた。
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