研究課題/領域番号 |
06680066
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
家政学
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研究機関 | 聖カタリナ女子短期大学 |
研究代表者 |
武田 珠美 聖カタリナ女子短期大学, 食物栄養学科, 助教授 (80149781)
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研究分担者 |
福田 靖子 静岡大学, 教育学部, 助教授 (40141444)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1994年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | ゴマ粕 / フィチン酸 / リグナン類 / 製パン |
研究概要 |
未焙煎ゴマ脱脂粕(竹本油脂製)および170℃30分焙煎後搾油した焙煎ゴマ粕を粉砕後、ヘキサンにより脱脂、風乾しウィレ-型ミルで再粉砕して1mmの円孔ふるいを通して試料とした。フィチン酸の定量法はLatteらの方法を選び、アニオ交換樹脂AG1-X4,100-200mesh(SIGMA)を用いた。未焙煎ゴマ粕により、フィチン酸の溶出液、溶出時間等を検討した結果、塩酸の場合、1N濃度がピークで4.8%(w/w)、また5mMクエン酸2.5mM乳酸混液で5.1%(w/w)のフィチン酸が除去された。溶出時間については2時間以降溶出量は増加したが、有意差は認められなかった。焙煎ゴマ粕については、同条件で各々6.7%、4.5%のフィチン酸が溶出分離された。 1NHClあるいは5mMクエン酸2.5mmM乳酸混液により、ゴマ脱脂粕からフィチン酸を溶出分離した場合に、リグナン類が同時に溶出していないかを高速液体クロマトグラフィーにより検討した。両者ともに酸性溶液のために、セサモリンがサミンおよびセサモ-ルに分解して溶出したが、セサモリンに関しては現在、その生理効果が認められていないことから問題はないと思われた。セサミンについては、未焙煎ゴマ粕に残存するセサミン0.018%の約10%、焙煎ゴマ粕中のセサミン0.078%のうち約4%が損失していた。さらにフィチン酸を分離除去したゴマ粕をパンに添加したところ、官能検査により食味の向上が認められたものの、膨化体積は減少し、Pの減少に起因することが考えられた。以上、低濃度の5mMクエン酸2.5mM乳酸混液を用いて、ゴマ脱脂粕からフィチン酸が十分に溶出除去できた。同時に溶出するリグナン類の損失も無視できる程度であり、栄養面あるいは嗜好面では改良できたといえる。しかし、パンの膨化体積を減少させるという、物性面での新たな問題が生じた。
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