研究課題/領域番号 |
06680081
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
体育学
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
伊藤 朗 筑波大学, 体育科学系, 教授 (80056639)
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研究分担者 |
三上 俊夫 日本医科大学, 保健体育教室, 講師 (60199966)
田崎 洋佑 筑波大学, 体育科学系, 助教授 (30114101)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1995年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1994年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
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キーワード | 運動 / スーパーオキサイド / キサンチンオキシダーゼ / 過酸化脂質 / 尿酸 / ビタミンC / ビタミンE / アラントイン / アラトイン / 尿酸比 / exhaustive運動時 / 抗酸化物質 / 尿酸産生抑制剤(アロプリノール) |
研究概要 |
平成6年度は、健康な成年男子を被検者に対しアロプリノールの投与または無投与で一過性の激運動を負荷し、血清および尿中の過酸化脂質、尿酸、抗酸化ビタミンの動態を調べ、激運動時の過酸化脂質生成に対するキサンチン・キサンチンオキシダーゼ系の関与の有無について検討した。(1)血清中過酸化脂質は投与と無投与では差はみられなかったが、運動後の24時間尿中過酸化脂質排泄量は投与で無投与の約50%に減少した。(2)血清中尿酸濃度は無投与では運動後1〜3時間後に40〜70%有意に増加し、尿中尿酸量は運動後に有意に低下した。しかし、投与では運動による血清尿酸濃度の変化はまったく認められなかった。(3)両条件とも運動の直後には血清中のビタミンCは増加し、ビタミンEは低下した。ビタミンEの低下は酸化的ストレスによって消費されたものと考えられるが、ビタミンCの増加は不明であった。以上の結果より、過酸化脂質の増加には虚血性変化に伴うキサンチン・キサンチンオキシダーゼ系の関与が示唆され、血清尿酸の増加は骨格筋などの毛細血管に存在するキサンチンオキシダーゼ系の活性化によって増加したものと考えられた。 平成7年度は、ラットを被検動物として用い、薬剤投与によりウリカーゼ阻害させ、ラットの体内尿酸プールを増加させた高尿酸状態で強制走行を実施し、その際の尿酸、アラントイン、過酸化脂質の生成動態よりin vivoにおける尿酸の抗酸化作用について検討した。実験動物群は、運動負荷強度により、低強度負荷グループと高強度負荷グループの2群とし、さらに各々ウリカーゼ阻害を投与するグループと投与しないグループの計4群に分けた。(1)薬剤無投与で低強度の運動を負荷すると、尿酸からアラントインへの代謝が進行し、尿酸は経時的には減少したが、アラントインは逆に増加した。また、わずかながら過酸化脂質に上昇が生じた。薬剤投与での低強度運動では、尿酸、アラントイン、過酸化脂質の動態には変化がなかった。(2)薬剤無投与での高強度運動では尿酸、アラントイン、過酸化脂質はともに著しく上昇した。薬剤投与での高強度運動では尿酸の上昇が著しく、アラントインの上昇は少なかった。また過酸化脂質の上昇はわずかであった。両群を比較すると尿酸の上昇には差がなく、アラントインの上昇には有意差が見られ、過酸化脂質の上昇にも有意差がみられた。以上のことから、高強度運動での薬剤投与と無投与の過酸化脂質の変動の差は、尿酸の抗酸化作用によるものと示唆された。
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