研究概要 |
本研究の目的は,バイオメカニクス動作データベースとして利用できる動作パターンのモデル(動作モデル)の作成法を開発すること,および動作モデルとVTRで撮影した選手や学習者の動作との比較や技術の評価が可能なシステムの開発することである. 1.平成6,7年の両年にわたって,陸上協議の短距離疾走,走高跳,走幅跳,棒高跳,砲丸投げ,槍投げ,サッカーのインステップキックなどの動作における身体各部位の座標データをバイオメカニクス的手法(DLT法)によって収集し,規格化・平均化の手法を用いて標準的動作モデル(Model of standard motion)を作成した. 2.動作の変動性(Motion variability)の指標として,標準偏差および変動係数を用いた.上述した運動における角度の標準偏差および変動係数を検討した結果,標準偏差および変動係数によって動作の変動性を検討できること,変動性を検討することによってスポーツ技術を評価したり,観察する場合の着眼点あるいは要点を見いだすことが可能であることなどがわかった. 3.スポーツ技術の評価システムのプロトタイプを開発した.本システムはデータベースと表示系から構成されており,データベースから任意の時点のスティックピクチャーを取り出して,ディスプレイに表示するとともに,選手や学習者の動作を撮影したVTR画像も同時に表示できるようになっている.しかし,プロトタイプはワークステーション(HP715/50)上で実現したもので,ハード,ソフト両面の機能的制約のため,当初計画したようなステムをノート型パソコン上で構築するには至らなかった.しかし,1996年内には当初計画したようなシステムが完成すると思われる.
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