研究課題/領域番号 |
06680093
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
体育学
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
山地 啓司 富山大学, 教育学部, 教授 (50012571)
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研究分担者 |
布村 忠弘 富山大学, 教育学部, 助教授 (40172746)
梅野 克身 富山医科薬科大学, 医学部, 助手 (90086596)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1994年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 心筋虚血 / 登山 / 低酸素 / 中高年 |
研究概要 |
被験者は、58〜65(平均62.2±2.7)歳の健康な登山愛好家6名(男性4名、女性2名)であった。予備実験として、標高500mにある低圧実験室において、3000m相当の低圧下でトレッドミルによる運動負荷試験を行った結果、男性1名のみにII、III、aVF、V4〜6で有意なST低下(V4で最大0.25mV)を認めたが、心筋虚血の症状は認めなかった。さらに、低地において、トレッドミルによる運動負荷試験を行ったが、有意なST低下は認めず、また、心臓超音波検査等でも異常を認めなかった。 標高3015mの立山を、標高約1000mの地点から歩いて登り、その間のホルター心電図(CM5およびNASA誘導)を記録した。その結果、予備実験においてST低下を認めた被験者にのみ、標高約2500m以上の登り、心拍数約125bpm以上でST低下(CM5誘導に最大0.2mV)を認めた。この時も、心筋虚血を示唆する症状は無かった。また、高度約2500m以下においては、歩行中に心拍数が最高168bpmに達したが、STの低下は認められなかった。 以上の結果より、低地での運動負荷試験等で異常が認められない場合でも、高山では心筋虚血を起こすことがあるという可能性も考えられるが、酸素吸入や冠拡張剤の効果、冠動脈造影等による確認が必要であろう。今後、さらに経過を追うとともに例数を増し、中高年登山愛好家に対する適切なメディカルチェックの基準について明らかにしていく予定である。
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