研究課題/領域番号 |
06680108
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
体育学
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
山崎 昌廣 広島大学, 総合科学部, 助教授 (40128327)
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研究分担者 |
石井 好二郎 広島大学, 総合科学部, 助手 (30243520)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1994年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 脊髄損傷 / 他動運動 / 皮膚血流量 / 心拍出量 |
研究概要 |
本研究は脊髄損傷者の麻痺部下肢他動運動中の循環動態を明らかにすることを目的とした。他動運動は市販のエルゴメータを改造し、任意の回転数を設定できる電気モータ駆動とした。被験者は12人の男子脊髄損傷対麻痺者であった。他動運動は椅坐位姿勢において、20回転および40回転の負荷でそれぞれ7分間行った。定常状態となった最後の2分間の心拍出量、酸素摂取量、二酸化炭素排出量、血圧および心拍数を測定した。また、運動終了直後に下肢後部および大腿前部の皮膚血流量を測定した。酸素摂取量、血圧、心拍数、および下肢の皮膚血流量は他動運動の回転数にかかわらずほぼ一定した値を示した。一方、二酸化炭素排出量は40回転の方が20回転より有意に高い値を示した。40回転の運動時の方が換気量が多かったことから、40回転では過呼吸状態であったと思われる。さらに、一回拍出量は安静時と比較して、40回転の方が有意に高い値であった。心拍数が変わらなかったことから、心拍出量は一回拍出量の増加のために安静時より有意に増加した。これらの結果は40回転の他動運動中は静脈環流が増加したことを示唆するものである。この静脈環流は麻痺部である下肢にうつ血していた血液が、他動運動により循環してきたものと考えることができる。したがって、他動運動自体は脊髄損傷者の循環動態促進には効果があったものと思われる。しかし、下肢が麻痺している脊髄損傷者に他動運動を負荷することによって循環が促進し、麻痺部の皮膚血流量も増加するのではないかという仮説は今回の実験からは実証できなかった。この原因の一つとして運動姿勢が考えられることから、今後は椅坐位姿勢から徐々に身体を横たえることによる姿勢変化の影響を検討する予定である。
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