研究概要 |
1.オームの法則の導入段階における概念形成について 中学校理科の電気単元において,生徒の表現活動を概念変容のてだてとする試みを行った。次のような工夫をした。 (1)異なった規格の豆電球を利用した教材の工夫をした。 (2)生徒が各自の思考に用いる心的モデルの表現方法として描画法を用いた。 (3)「例え」を使っての説明を奨励した。 この過程で生徒が多様な心的モデルを表出し,情報交換を行いながら思考を深めていく過程がみられた。 2.オームの法則の適用段階における概念形成について 学生実験の中で,簡単な実験を実施しながら調査・分析した。 (1)電圧計の作製とその構造について 1mA計に3kΩの抵抗を接続した3V計を作製した。電圧計の原理を理解するとともに,市販の電圧計の内部抵抗と使用範囲について取り扱った。その上で,電気抵抗の合成法則の検証を行った。高校で物理を履修した学生が少なくなり,このような段階の取り扱いが必要になっていることがわかった。 (2)アルミニウム箔の電気抵抗の形状依存の実験 料理用アルミ箔の形状依存に関する実験式の誘導を行った。 この実験により,短時間に,電気抵抗の形状依存に関する規則性の誘導が可能である。抵抗率概念,グラフ,誤差,等についてもかなり高度な考察が可能である。
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