研究課題/領域番号 |
06680226
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
教科教育
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研究機関 | 北海道教育大学 |
研究代表者 |
牧野 高吉 北海道教育大学, 教育学部・釧路校, 教授 (70002706)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1995年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1994年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
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キーワード | 第2言語習得 / 誤り分析 / 形態素習得順序 / 教材開発 / 形態系習得順序 |
研究概要 |
本研究の目的は、798名の中学生、高校生、大学生を被験者に、ペ-パ-による英語での文章完成タスクを課し、これらの被験者が犯す誤りの種類と頻度を調べ、英語の文法形態素の習得順序と、いかなる指示が誤りに対する自己訂正に最も効果的であるかを立証するものである。資料収集の手順は、(1)オリジナル:何ら指示を与えない、(2)第1コピー:文法的誤りのある文の前に(×)印を、(3)第2コピー:文法的誤りにアンダーラインを引いた。いずれのコピーも本人に返却し、自己訂正させた。本研究の仮説は次の通りである:(1)誤りに対する指示が細かければ細かいほど、いずれのレヴェルでも自己訂正の割合が大きくなる:(2)学習者の自己訂正は、いずれのレヴェルでも英語の文法形態素の習得順序を変えない。 分析の結果、ほとんどの被験者は、何ら指示が与えられなくとも、ある程度、自分の誤りを訂正することができた。すなわち、被験者は、自分自身の誤りについてモニターすることができ、訂正することができた。特に、所有形、複数形、規則過去形、3人称・単数・現在形などの屈折形態素は、オリジナルから第1コピー、第1コピーから第2コピーへと習得順序が大きく跳ね上がった。また、教師の指示に従って自分訂正しても、英語文法形態素の習得順序に変化はなかった。英語学習の期間が異なっても、文法形態素の習得順序が極めて類似していることが立証され、Krashen(1977)が立てた「自然な取得順序」とかなり高い相関をなしたことは注目に値する。 教育上の示唆としては、教師が、いかに誤りを訂正するか、どのような誤りを訂正するか、誤り訂正の目的は何かが、教師の悩みであったが、より効率的な誤りの処理法により、学習者の能力にあった指示を与えることができ、かつ教材開発への基礎的示唆が得られた。
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