図形の概念形成について、特にgeoboardを用いた教材の開発を行うと共に授業研究を行い、授業後に調査を行うことによってその効果が検討された。また、面積概念についての調査研究が行われた。その結果、以下のことが明らかにされた。 1.小学校第2学年の「三角形・四角形」の単元でgeoboardを用いた授業展開を行った結果、三角形・四角形等、2年生で学習する図形概念の定着率は高く、また、そのような教具を基にした授業が児童の興味・関心を喚起するものであることが示された。 2.小学校第4学年の「正方形・長方形の面積」の単元を学習後、geoboardを用い、周長と面積の概念の分離を図る授業が設定された。児童は多大の興味関心を示し種々の活動に取り組んだが、geoboard上で構成される図形については周長と面積の分離が達成し得ても、それの他の図形を用いた課題への転移は認められなかった。 3.小学校3〜6年生を対象とし、等周長図形に対する面積判断について調査研究が行われたが、その結果、等周長であれば等積であるとする判断の強固性と学年による反応の差が明らかにされた。 現在、算数の授業における三角形・四角形の概念形成に関する総合的報告書、及びgeoboardの使用を含む等周長図形に対する面積判断についての報告書を準備中である。また、geoboardを用いた新たな教材の開発を継続して行うと共に、それを基にした授業研究も計画している。
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