研究概要 |
数量化法第3類(対応分析)の人工的データに関し一連の研究を行った. 1.複数個の線形特性を含む人工的データにおいて,固有値問題の各解はどれかの線形特性のガットマン系列に属する.それらの役割を同定する方法を提案し,雑誌Math.Japon.(1994)に発表した. 2.円形特性に半径を表す線形特性をつけ加えるため,同心相似な数個の円をもつ円盤データを提案し,固有値問題を解放的に解いた.円周上の点の数が増すと円形特性が,円の個数が増すと線形特性が強くなる.雑誌J.Japan Statist.Soc.(1994)に発表した. 3.円形特性に長さを表す線形特性をつけ加えた円筒データ,さらに半径を表す線形特性を加えた円柱データを提案し,固有値問題を解析的に解いて,Statist.& Prob.Letters(1994)に発表した. 4.2つの円形特性をもつtorusデータ,さらに半径を表す線形特性を加えた実体torusデータを提案し,固有値問題を解析的に解いて,Behaviormetrika(1994)に発表した. 5.上記の4論文は線が2つの点を通る状況を扱っているが,線が3個以上の点を通る場合(多重度2以上)も扱うことができる.円形データについて考察し,Math.Japon(1995)に発表した. 6.線形特性と円形特性の他に幾何学的な典型的な特性はないであろうかと考えて,球面特性を思いついた.5種類の正多面体のそれぞれから構成したデータは固有値問題を解析的に解くことができ,球面特性の次元は常に3であること,頂点の数が増すほど特性が強くなることなどがわかった.J.Japan Statist.Soc.(1995)に発表した.
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