研究課題/領域番号 |
06680355
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
知能情報学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
片井 修 京都大学, 工学部, 教授 (50089124)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1994年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 自己組織系 / 自律分散システム / シナジェティクス / 制約充足問題 / 散逸構造 / 暗黙知 / 複雑適応系 / 階層的問題解決 |
研究概要 |
本研究により得られた成果は以下のようにまとめられる。(1)「階層型問題解決の枠組」:個々に自律しているが機能的には未分化な要素からなる問題解決層(自立非分化層)と、機能的には分化しているが個々には自立性のない要素からなる問題解決層(分化非自立層)の二種層が交互に積み重なり、相互にインタラクションしあいながら問題解決を実現する枠組みを与えた。後者の層は導出される解の正当性と効率性を保証するものであり、他方、前者の層は柔軟な解の導出を与えるものである。両層が共通の問題解決に向かうよう制約指向の立場からの枠組みが導入されている。(2)「分化非自立層の計算原理」:制約指向問題の典型的な形である整合ラベリング問題(制約充足問題)に対する論理的処理に基づく解法の一つである併合法、とりわけ動的計画法の考え方を取り入れた侵入法(invasion)に基づいて問題解決層を実現した。論理に基づくことにより解の正当性が保証され、また、侵入法の採用により効率性も保証されている。(3)「自立非分化層の計算原理」:複雑な制約を直積あるいは直和分解し、単純な要素制約充足問題群に還元する方法を導入することによって、比較的均質な(機能的には未分化な)問題解決要素が相互に影響を及ぼしあいながら全体として秩序形成することにより問題解決を行う計算原理の導入を行った。最も基本となる考え方は、物理・化学現象における秩序形成の説明原理ともいえるハ-ケンのシナジェティクスとプリゴジンの散逸構造である。(4)「両層間のインタラクション」:ポラニ-の暗黙知の考え方、とりわけ二重制御ならびに周縁制御の原理と、人間における右脳-左脳の処理分化の知見を導入し、両層の計算が協調的に解の探索に向かうためのインタラクションのあり方を明らかにした。(5)「具体的問題への適用」:設計・計画問題などに適用し、本枠組みの有効性を明らかにした。
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