研究概要 |
75人の顔写真を撮影し、これを辞書データとして用いた。すなわち75人それぞれの横顔と正面顔画像との両者の写真を撮影し、これらをイメージスキャナで計算機側に取り込んだ。横顔は2値化し顔面部の切り出しと輪郭線の抽出を行った。この曲線を先に開発した等辺多角形で近似しp形記述子を用いて、特徴抽出を行った。正面顔面像は両目の位置を基準として、顔面部の切り出しを行い、この画像に対してモザイク変換を行った後、各モザイクの濃度値を特徴とした。 予め入力しておいた75人の顔画像に対して、上記の特徴を抽出して計算機内にファイルした。上の撮影から1月後、75人のうちの21人の写真を撮影しこれをテストデータとして認識を行った。 その結果次のような知見が得られた。 (1)横顔画像のみによる認識について: 等辺多角形の辺の数をN、使用するP形パワースペクトルの個数をSとすると、N=64、S=23,25 及びN=128、S=25,27,29において最大の認識率を示し、76%程度であった。 (2)正面顔画像のみによる認識について: モザイクサイズをMXMとすると、M=8,10,12,14,16において最大の認識率を示し、70%程度であった。 (3)横顔及び正面顔画像の統合による認識について: 上の(1)(2)を統合して認識するために、N=64、S=16とし更にM=16とした。これは(1)(2)それぞれの最大認識率をあたえる数値のうち、特徴数が最も少なくなる場合を考えたからである。この結果、95%程度の認識率が得られ、両特徴の統合の効果を顕著に示したと言える。
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