研究概要 |
新たなコミュニティの形成と生活の質に関して,ネットワークの視点から総合的研究を行った.地域社会の変貌に対応した組織活動を実践する兵庫県丹波地域の事例について,調査を行い,「場」の存在を軸に展開する関係材としての地域活動のあり方について示唆を得た.これに加えて,各種組織や団体に対してアンケート調査を行い,クラブ・コミュニティの視点からの実態と可能性について現況の動向整理も行った.本研究のテーマである「クラブ・コミュニティ」の萌芽が,実際に展開しつつあることが確認されたといえよう.また,阪神・淡路大震災はコミュニティについてあらためてそのあり方を問う出来事でもあった.「地域間交流」や「情報ボランティア」といったクラブ・コミュニティにおける新たな切り口が見いだされた.本研究では,こうした視点からの具体的提案にまで議論が及んだが,今後,かかる視点からのより一層の研究が必要と考えている.さらにクラブ・コミュニティ自体についての分析も進めることができた.機会開発や公益性といった視点から,既往組織との差異について詳細な検討を行った.こうしたヒューマンネットワークとしての検討に加え,ハード面からはインターネットとの関係についての分析も行った.新たなコミュニティを支える基盤としてのネットワークについての検討も今後の課題である.
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