研究課題/領域番号 |
06680432
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
自然災害科学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
松永 勝也 九州大学, 文学部, 教授 (10036999)
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研究分担者 |
柳田 多聞 九州大学, 文学部, 助手 (80263995)
行場 次朗 九州大学, 文学部, 助手 (50142899)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1995年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1994年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 自然災害における危機管理 / 危機管理 / 避難行動 / 危機意識 / 情報伝達 / 啓蒙 / 避難 / 災害時の行政の対応 / 長期避難 / 災害時の住民の対応 / 危険地域での遠隔操縦による工事 |
研究概要 |
6回の調査を行い、その結果をまとめた。過去において災害を経験した人は危機意識が高いが、そうでない人はかなり低い。危機意識の高さが避難勧告に直ちに従うかどうかと関わりを持つことがこれまでの調査で明らかとなっている。希現象である自然災害を誰もが経験するわけではない。また、経験が無くても適切に対応ができるようにするためには、定期的な訓練と啓蒙が必要であろう。 行政側は避難場所、避難経路等を記した印刷物を配布したので、全ての住民が知っているはずとの認識であった。調査結果では、土石流を経験した地域の人は93%から97%位の人が知っていると回答した。しかし、土石流を経験していない地域では、71%と低い。経験したことがない災害に対しては、印刷物による広報のみでは住民に十分な対応は期待できないと考えられる。平素の継続的な広報、訓練を必要としよう。 避難生活の長期化に伴って、また1994年に入って大きな火砕流、が発生しなかったこともあってであろう、危機意識の低下が大きといえる。これは、必要以上の対応を避けるという人間の消費エネルギを最小にしょうというメカニズムの現れと考えられる。しかし、希ではあるが依然として火砕流は発生しており、危機意識の低下に対する対策が必要と考えられる。 一方、復興計画と復興の遅れに不満感が大きくなりつつある。これは以前の生活環境に戻ることができれば、そこには生活の全てが無意識にできる状況があるとの期待からと考えられる。 人間の自然の心の動きのままでは、希現象である突発災害には適切な対応はできないといえる。突発災害の場合は、万が一の対応(多くは避難)が必要であり、避難し仮に行政側からの予測情報がはずれることがあっても、その方が失うものは少ないことを啓蒙すべきであろう。
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