研究概要 |
電子がなくほゞ正負イオンのみからなるプラズマは可視光に敏感で光脱離効果により電気伝導度,シース,プラズマの制御が可能となる。本研究では対象プラズマとしてホロー陰極を用いた直流放電,平行平板電極からなる高周波(RF)放電を特に酸素について用い、酸素負イオンの存在する状況下でパルスYAGレーザー基本波,高調波を入射,光脱離による電子発生,電子エネルギー分布の変化,電子付着による再結合過程,イオン音波発生によるプラズマの過渡的特性を調べた。これらの効果は全て実験的に検証できる論文としてまとめた。平成7年度はレーザー以外に写真用ストロボ光,フラツシュランプ光を負イオン含有プラズマに照射しD層の現象をシミュレートする実験を行った。光脱離は拡散光,コヒーレント光とは関係なく起る筈で光強度の関数であるが,現実には光強度はレーザーと同程度であったがレーザー光の場合の様な光ガルバ,効果は観測されなかった。これは実験室プラズマには境界があるため光の収束と閉じ込めが十分でなく光脱離電子の壁への拡散が効くためと推定された。 以上の現象に関連して負イオンを含むプラズマのシース特性の理論的解析,電子エネルギー分布の熱平衡からのずれ,および負イオン源としての応用的見地からの研究結果,中緯度および極域D層のロケット観測の結果をまとめ論文にした。
|