研究課題/領域番号 |
06680516
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
環境影響評価(含放射線生物学)
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研究機関 | 慶応義塾大学 |
研究代表者 |
丸田 恵美子 慶應義塾大学, 環境情報学部, 助教授 (90229609)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1994年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 酸性雨 / 酸性霧 / 水分収支 / クチクラ層 / クチクラ蒸散 / 汚染物質の移流 |
研究概要 |
近年、首都圏周辺の山地において大規模な森林の枯死が相次ぎ、酸性雨の影響が懸念されている。本研究では、首都圏の西側に位置する富士山において、酸性雨が森林生態系に与えている影響について、現状では以下のようであると評価した。 (1)首都圏からの汚染物質の移流の影響によると考えられる酸性雨は標高約1500〜2000m以下でみられ、高標高域にはおよんでいなかった。しかし大陸由来とみられる酸性雨は3000m以上でもみられた。 (2)標高1700〜2500mに広がる亜高山帯針葉樹林では、他の山地でみられるような大規模な枯死はみられず、これは(1)で述べたように、富士山の亜高山帯では、首都圏の直接の汚染の影響は及んでいないことと一致する。 (3)富士山の亜高山性針葉樹も森林限界付近や、山岳道路の脇では枯死が目だつ。それらの枯死の要因として、現地での観察の結果、冬季の水分収支のアンバランスによって生じた常緑葉の水分欠差により春に枯死し、それが毎年積み重なることにより、やがては個体の枯死を引き起こすと考えられた。 (4)そこで、冬季の水分収支のアンバランスに注目して、調査を行った。その結果、晩秋から初冬にかけて、季節風があたる立地の樹木では、冬季には通常厚くなる常緑葉の表面のクチクラ層が、強風による砂礫の飛散や葉どうしの摩擦等によって薄くなり、土壌が凍結して吸水ができない冬季の常緑葉からの蒸散を防ぐことができず、氷欠差におちいるものとわかった。 以上のことから、現状では顕著な被害はないものの、汚染の影響により常緑葉のクチクラ層の発達が阻害されるようなことがあれば、枯死が進むと考えられる。
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