研究概要 |
実験装置は平塚市日向岡団地下水処理場内に設置し,処理原水として同処理場への流入汚水を用いた.処理原水は処理場内の曝気沈砂地より取水ポンプで取水した後,自動微細目スクリーン(目開き1mm)にて繊維質等を除去し,原水槽に貯留した後,曝気槽内へ供給した.曝気槽内水温はリボンヒ-タを用いて20℃前後に制御した.貧毛類としてはツリミミズ科のシマミミズ(Eisenia foetida)(延岡旭繊維社製)を用い,NaHCO_3(流量7.5mLh^<-1>濃度10〜20gL^<-1>)を定量ポンプを用いて流入させ,pHを中性付近に保った.使用した中空糸膜は三菱レイヨン社製MF膜であり,膜モジュールはループ状に束ねたものを用いた. 本実験では貧毛類を投与するモジュールと投与しないモジュールの平均特性をとり比較検討するため,槽内にそれぞれ2基のモジュールを設置した.また槽内のモジュールの位置による影響を知るため,上層と下層に設置した.槽内は貧毛類の移動を防ぐため金網で二分した.また,HRT(6〜7時間)を保つため,2基の補助膜も設置した.補助膜は常時,水洗浄を行った.逆洗は行わず,5分間吸引5分間停止の間欠運転とした.エア-量は10Lmin^<-1>である.実験期間中のC0D_<Mn>容積負荷は0.2〜0.3gL^<-1>day^<-1>であった. シマミミズ(体長4〜6cm)を,一旦シャーレ内で個体数を確認した後,装置から取り出した膜モジュールに移植し,再びこの膜モジュールを曝気槽内に浸漬した.投与するシマミミズの個体数は,膜面に付着した汚泥の状況を見ながら段階的に増加させた.体重0.4〜0.5gのシマミミズを使用した場合,個体密度500匹m^<-2>で汚泥の分散効果があることがわかった.
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