研究課題/領域番号 |
06680557
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生物有機科学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
小鹿 一 名古屋大学, 理学部, 助手 (50152492)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1994年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | 海洋動物 / タツナミガイ / オリゴペプチド / 細胞毒性 / ドラスタチン / ドリキュライド / ドラベリン |
研究概要 |
貝殻を持たない貝の一種タツナミガイDolabella Auriculariaについて、腫瘍細胞に対する増殖阻害活性を指標にして成分検索を行い、活性を示す10種類以上の新規オリゴペプチド及び関連化合物をいづれも極微量成分として分離した。これらの化合物について有機化学的研究を行い、以下の成果を得た。 1.ドラスタチンCおよびDの大量化学合成:中程度の活性を示すこれら鎖状及び環状デプシペプチドは、既にその合成経路を確立したので、動物実験により抗腫瘍活性を検定するため大量合成を行った。 2.ドラスタチンE、ドリキュライド、ドラベリンの立体構造の解明と合成:めづらしいアミノ酸やヒドロキシ酸を含むこれら化合物の立体構造の解明は、合成的手段に頼らざるをえない。ドラスタチンEは立体化学の決定が極めて困難なチアゾリンアミノ酸を有するため、可能な立体異性体(8種)をすべて合成することによりその立体構造を明らかにした。強力な細胞毒性を示すドリキュライドの立体構造を、NMRの詳細な解析と誘導反応により解明した。また、ドラベリンの立体構造は、分解反応で得られる3個のユニット(2個のチアゾールカルボン酸と1個のβ-ヒドロキシ酸)の立体選択的合成により決定し、されに全合成により確認した。 3.ドラスタチンFおよび類縁体の構造:中程度の細胞増殖阻害活性を示すこれらの一群の鎖状ヘキサデプシペプチドの立体構造を、スペクトルデータと加水分解を組み合わせて明らかにし、さらに全合成により確認した。 4.タツナミガイの大量抽出:上記の化合物以外に得られた構造未決定のオリゴペプチド(6種)は、いづれも極微量成分であるため、三重県志摩半島にて大量(約300kg)のタツナミガイを採集し再度、抽出分離を行ったこの結果、超微量成分として二種の新規細胞毒性ペプチド、ドラスタンGおよびHの分離に成功した。
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