研究課題/領域番号 |
06680577
|
研究種目 |
一般研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
構造生物化学
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
大海 忍 東京大学, 医科学研究所, 助教授 (20160046)
|
研究分担者 |
布井 博幸 医科学研究所, 助手 (50218260)
|
研究期間 (年度) |
1994
|
研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
|
配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1994年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
|
キーワード | スーパーオキシド / 白血球 / 蛋白質リン酸化 / プロテインキナーゼC / 合成ペプチド / 好中球 / 活性酸素 |
研究概要 |
白血球は、生態防御の初期反応としてスーパーオキシド(O_2^-)を産生するが、本研究ではO_2^-産生系における蛋白質リン酸化の意義について検討した。O_2^-産生系は、形質膜に存在するシトクロムb_<558>、細胞質の分子量47K及び65Kの蛋白質などによって構成され、これらの細胞質因子が脂肪酸等の刺激によって形質膜に会合して活性型のO_2^-産生系が構築される。O_2^-の産生の情報伝達には、細胞内蛋白質リン酸化酵素による47K蛋白質のリン酸化が関係していると考えられている。47K蛋白質のリン酸化は、ホルボルエステルによって誘導されるので、プロテインキナーゼC(PKC)がかかわっている可能性が高い。好中球の主要な蛋白質リン酸化酵素であるPKCβ、δのpseudosubstrate領域(PS領域)のアミノ酸配列をもつペプチドを化学合成し、ヒト好中球無細胞系におけるドデシル硫酸ナトリウム依存性のO_2^-産生に対するPS領域ペプチドの影響を調べた。PKCβのPS領域ペプチドは、2μM程度の濃度でO_2^-産生を50%阻害したが、PKCδのPS領域ペプチドは、同様な阻害を与えるのに10倍以上の濃度を要した。好中球をホルボルエステル処理してO_2^-産生を誘導すると、同時に47K蛋白質がリン酸化されるが、PKCβとδのPS領域ペプチドの47K蛋白質のリン酸化に対する影響にも同様な差異が認められた。したがって、O_2^-産生系の情報伝達、特に47K蛋白質のリン酸化にかかわっている主要な蛋白質リン酸化酵素はPKCβであると考えられる。
|