研究課題/領域番号 |
06680582
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
構造生物化学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
吉久 徹 京都大学, ウイルス研究所, 助手 (60212312)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1995年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1994年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 膜透過 / secY / 大腸菌 / 分泌 / シグナル配列 / His_6タグ |
研究概要 |
大腸菌における蛋白質膜透過反応の研究において、遺伝学的に解析されてきた種々のSec変異蛋白質を精製し、in vitroにおいて生化学的に分析することは、最も待たれていることの一つである。本研究では、変異SecYとそれらを含む蛋白質膜透過装置複合体の精製と、その生化学的諸性質の比較が目的であった。現在、His_6タグ法を用い、野生型とSecY39など6種の変異SecY膜透過複合体を、90%以上の純度まで精製し、また、野生型SecE単量体の精製にも成功した。精製した野生型SecY複合体については、その膜透過活性が再構成プロテオリポソームを用いて確かめられた。今後は、各々の変異体について、各種変異体の基質に対する親和性、SecA ATPaseに対する親和性、SecAの膜をはさんだダイナミズムへの各変異の影響、後述のHis_6-OmpA前駆体のNi^<2+>_-感受性膜透過を用いた膜透過初期過程における各変異の影響等を比較してゆきたい。一方、本研究では、in vitroにおける膜透過反応の基質として、His_6ダク法により大腸菌外膜蛋白質OmpAの分泌前駆体を精製したが、このHis_6タグは、OmpA成熟体のN_-末端付近に挿入したときだけ、pro-OmpAのin vitroでの反転膜小胞への膜透過にNi^<2+>感受性をあたえることが明らかとなった。阻害効果はヒスチジンの添加で解除され、膜透過のごく初期の分泌前駆体の内膜へのターゲティング以降で、かつシグナル配列切断以前に起こっていることが明らかとなった。Ni^<2+>はSecYとHis_6-OmpAとの化学的架橋を妨げる一方、基質認識を甘くする考えられているsecY遺伝子上のprlA3変異より調製した膜小胞中では、Ni^<2+>の効果は部分的に抑圧された。以上の結果は、SecYEG複合体による膜上での基質認識を、in vitroで示めした点で重要であると考えられる。
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