研究課題/領域番号 |
06680610
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
機能生物化学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
江崎 信芳 京都大学, 化学研究所, 助教授 (50135597)
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研究分担者 |
栗原 達夫 京都大学, 化学研究所, 助手 (70243087)
吉村 徹 京都大学, 化学研究所, 助手 (70182821)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1995年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1994年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | グルタミン酸ラセマーゼ / 遺伝子クローニング / Bacillus cereus / 活性中心システイン残基 / Composite active site / α,β-脱離反応 / 酵素自殺基質 / セリンO-スルフェート / composite active site |
研究概要 |
グルタミン酸ラセマーゼの構造と機能の関係を明らかにし、本酵素の特異的阻害剤を開発することを目的として以下の研究を行った。P. pentosaseus及びE. coliのグルタミン酸ラセマーゼのアミノ酸一次配列において、保存性の高い領域に対応するDNAプライマーを合成し、PCR法によって対応する領域を増幅させた。その結果、Bacillus cereusなどにグルタミン酸ラセマーゼ活性は認められないものの、いずれもグルタミン酸ラセマーゼ遺伝子をもち可能性が示された。E. coliのD-グルタミン酸要求株、WM335のD-グルタミン酸要求性を相補する遺伝子をB. cereusから単離したところ、グルタミン酸ラセマーゼ遺伝子であることが確認された。モノマーであるP.pentosaseusの酵素が2個の必須システイン残基を有するのに対し、E. coli酵素は二量体で各々のサブユニットからシステイン残基を出しあって活性中心を形成する“composite active-site"型をとると考えられる。この点を明らかにするために、部位特異的変異法によりE. coli酵素のシステイン残基をアラニンに置換し、その諸性質を調べた。また、グルタミン酸ラセマーゼはセリンO-スルフェートに作用し、そのα,β-脱離反応を触媒すると共に、自らは不可逆的に失活する酵素自殺基質反応を触媒する。活性に必須な2個のシステイン残基を両者アラニン残基に置換すると、α,β-脱離反応を触媒できないが、いずれか一方が残存していればこの反応を触媒できる。ところが、グルタミン酸のラセミ化は触媒できないことから、本酵素の2塩基機構と基質α-水素の引き抜きにおけるシステイン残基の役割が明確になった。
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